さて試合は「凄い、けど凡戦」というし合いだった訳で。

なんか、シーガルズがマンネリになってるんじゃないかなと言う気がする。
試合的に言うと、まずリターンを取ったシルバースター、先発は#19東野で、ドライブ途中から#7安藤のタンデム。シーガルズは先発#15龍村。どっちも最初と２回目のドライブはパント。
とにかく時間が重たく流れるが、フィールドポジションはシーガルズの方がいい。苦肉の策で３回目のドライブでシルバースターは安藤が3rdダウンパント。
ってか、この試合ずっと安藤がパント蹴っていたけれど、それが正解だという気はしないんだよね。いいＫ/Ｐ持っているのに、キックも戸倉だし、どういう事なんだろう。
２Ｑに入って早々にFG失敗のシーガルズ、しかしその返しのドライブでインターセプト。
しかしあろうことかここで#6菅原が、ボールをファンブル（エクスチェンジミスでも、スローミスでもなく、わしづかみしたボールがツルンと落ちた）。
ここからまたパントになるのだが、２度目のシルバースターのパントが、ホールディングもあって敵陣２ヤード、結果的にこの不利な位置からのパントがシルバースターのＦＧを呼ぶのだが、どうしてかこの日はゴールポストにぼーるが嫌われている。
しかしここからの菅原は凄かった。あっという間にパス６本続けてTDですからね。

後半最初のキックオフでシルバースターはオンサイド敢行もカバーできず、イリーガルブロックもありシーガルズは有利な状態から攻め、このドライブはＴＤ。
その返しのドライブで、東野がパスを投げようとしたときにケヴィン・ジャクソンのラッシュが来てコントロールミスしインターセプト。しかし次の菅原のパスをコースに入ったＬＢがはじき、浮き上がったところを自ら押さえてインターセプト。このドライブ、攻めきれずＦＧになった、と思ったらフェイクで戸倉が右ロールしてパス。

しかもこの後菅原のパスをシルバースターDBがインターセプトする。このドライブはパントに追い込んだシーガルズ。
ここで3Q終盤なのだが、ここから凄い夕立で空気が一変。相手の疲労等を考慮してか、シーガルズは徹底した地上戦にスイッチ。
結果として山崎のTDにつながるのだけれど、確かその後も殆どパスなく（１回だけか、しかも失敗）、タイムコントロールも成功。

シルバースターは途中で東野を、終盤に安藤を負傷で欠いてしまい、高橋がなんとかパスを試みるも、結果として力及ばずであった。

でね。まずシルバースター攻撃について言うと、安藤のパスが怖くない。いいセンスなんだけど、早いタイミングの１０ヤード以内のパスばっかり、パスプロ持たない事を全体にしているのは判るけど、ディープがないのでは怖くない。東野が投げていた以上、プレーがない訳ではない。まだ万全でないのか、それとも呼吸が合わないのか、あるいはコーチに度胸が無いのか判らないけれど、「負けない」試合を目指して勝てなかったような、そんな印象。

その代わり、守備は以前に比べてかなり改善されてきた。もう一歩、って所かな。層が薄いことも手伝ってスタミナ切れって感じなので。

で、重傷な感じのするシーガルズ。別に攻撃力が落ちたという訳ではないと思うのだけれど、ＱＢのファンブルやインターセプトなんか見ると、「どこか心の中でマンネリ化してたんじゃないのかな？」とさえ思う。
何かいい刺激が無いとつらいのかな？
そんな印象の試合でしたわ。

試合は、もうね、戦術論とかそういう以前に、話にならないくらいの個人能力差でパナが圧倒。

まずね。ひどかったのがパナの２つめのＴＤ。
まあ、ＩＢＭのパントですわ。エンドゾーン内からですよ。これが軸足滑ってミスパント。が、このボールをモトゥがカバーしたときに誰もそれを見てない。いやその前にショートしたボールをイリーガルタッチでデッドさせないと駄目でしょ。そのまま棒立ちに近い状態で走られて、どうするのよ。

次に、パナソニックのランが止められない事。大半のプレーが、タックルに行けないというか、ブロッカーにすら当たれないというか。まるで流れに流されて後追いするだけというか。
さらにパナのＤＬが少なくニッケル編成だったのに、ブリッツがダダ漏れになって為す術無い事。パスカバーを剥がす動きがレシーバーに出来てなく、終盤のクラフトはスタントしか見てないざま。

さらにコーナーバックがべったり付いているのに身体の入れ方だけでパスを通されるとか、ランホールを見つける為にＲＢの動きが止まるともう駄目、とか。

なんかね。もう選手の見ている世界が違いすぎたというか。研究されたというこもとあるけれど、それは前半の話。後半は完全に地力の差とフットボールＩＱの差が出ていたという感じで、まさに為す術無くというのはこのことかと。

さらにパナの方で触れておかねばならないのは、高田が昨年・一昨年よりグレードアップしていた事。パスの精度、タイミングが良かった（が、弾道が低いので、もしかしたらＤＬの強いチームとやるときついかも知れない。こればっかりはそういう局面が生まれなかったので……）

なんとなくね。もう取り組む心構えの問題なんじゃないかな、と。

仕事持ちというのは理解してますが、それでもパナとかシーガルズとか、かなり高いレベルの選手いますよね。それに追いつく為の気持ちの持ち方というか、そういうものがどこか及んでいないということでは無いかと。そんな感じに思えました。

で、だ。去年今年の鹿島の試合運びからすると、「とにかく追加点を早めに」なのであるが……

まずリターンは富士通。QBを#12平本で通したが、これが良かったのかどうかは後の判断。
リターン良く自陣40Yardから、まず#17秋山へのパスが通り、#28進士のラン、#4宜本へのパスが２回連続で決まり、そしてラン３回で先制。
返しのドライブ、鹿島先発QB#10山城が、ほとんど何も出来ずにパントに追い込まれる。というか、実際問題１Qの間、完全に鹿島攻撃ラインをスピードラッシュで凌駕する富士通守備。本当にも何も出来なかった。
次の富士通の攻撃が、敵陣39Yardでパント。これがなんと敵陣エンドゾーン手前1Yatdで止まる。
そして、ここで前進を試みた鹿島のランプレーがロスタックルで、セイフティ。意外な形で追加点。
このセイフティで貰った攻撃権を４分かけて攻め込むのだが、ハーフウェーからの攻撃が、敵陣11Yardまで行くも攻めきれずFG。

ここで、なあんとなく鹿島の空間に突入。そう、攻撃が出なくても守備が押さえている間に打開策を見つけて……という奴。

実際、このあと富士通は攻めきれない。
第２Ｑ最初に自陣48Yardからの攻撃権を得てパスで攻め込むが。敵陣ゴール前で足踏みしＦＧを狙うも中央割られてブロック。
逆に、鹿島も攻めきれない。１Ｑ最後のプレー以降QBを#7加藤にスイッチするが、前半は効果的なドライブとは呼べず。というのも、基軸としていたランが出ないので、パスに偏ってしまい、この試合初めてダウン更新するもパント。実際、これで鹿島攻撃の出番は前半終わり。
富士通は#20高野橋のランで一気に敵陣44Yardまで攻めたあと、ラン主体の攻撃で敵陣18Yardまで進めるもFG止まり。

後半になると、鹿島が攻守にわたって冴え始めるが、富士通守備が首の皮一枚で踏みとどまる。
というか、完全に平本がレシーバーを探せていない。
最初に鹿島の攻撃が３回でパントになるが、富士通はパス２回失敗でパント。
さらに次のドライブで鹿島がダウン更新するもパント。で、同じく富士通もダウン１回更新してパント。
で、ここで富士通守備に停滞ミスが出る。
#81宮本へのパスでダウン更新した鹿島が、見せプレーなのかどうかディープ一発。右サイドで深めのゾーンにレシーバーが交錯するように入り、その手前でDBが止まってしまったのでDBの後に走り込んだレシーバーがキャッチ。最後尾を抜かれたらもう゛どうしようもない、という事でTD。

ここで返しのドライブ、#81中村のリバースで敵陣41Yardまで進み、そこからラン主体で攻め込むのだが、最後に攻めきれずＦＧとなるが、またしても中央割られてブロック。
ここから鹿島の攻撃がギアを上げる、のだが、宮本へのインパターンのパスにＤＢが前に身体をねじ込みＩＮＴ。
この攻撃を即座に止めた鹿島が、再びパスで攻め込むのだが、#11前田に向かってＴＤ狙いのリードのパスを、今度は前田の前に飛び込んでＩＮＴ。
このあとランで時間消費を狙う富士通に対して、残り１分代になって絶妙なタイムアウト攻勢で時間を残した鹿島が、自陣33Yardから攻め込んだものの、最後は距離が足りずにタイムアップとなった。

で、富士通は「前半やたらプレーが出来た攻撃が、後半息切れ」「前半飛ばしてラッシュかけた守備は、後半になって加藤の早いパスにやられっぱなし」という結果となった訳で、スタミナ配分の問題がどうしても強く残ってしまっている。
特にこの試合、エースRB#30金が１プレーのみ、前半活躍した#20高野橋は後半出番なく、かといってパワーランナー#32後藤も出番なく（FBとして入っていたかも）、そんな中で#29ゴードンが足首を試合中に痛めると、あっさり手詰まり感。
こと平本がパスの時にフリーレシーバーを見つけられず決め打ちで#4宜本にパスを投げ込む事が後半になればなるほど目立ち、攻撃側がリズムを後半に作ることが出来なかった。可能であれば、#19吉田に１ドライブやらせて（パスはいらない。ハンドオフだけでもいい）、一呼吸置かせる事も必要だったのでは無いだろうか。
結果、守備が連続して出る時間が長くなり、少し弾き気味に守ったとたんに前田と宮本にいいようにやられてしまった。またも、後半はラッシュが殆ど届いていないのも気になるところ。
かなりの救いは吉田のコントロールパントだったわけで

鹿島は、まあこちらも前半為す術無く攻撃が沈黙してしまった（山城、怪我か？）結果、パスに比重を置いてしまい、捨てプレーとしてのランも数を打てず、結果として守り切られてしまった。
そういう意味では去年と流れが同じだったようにも思うので、攻撃で何か新しいアクセントが必要なのかも知れない（プレーとか、組み立てとかで）

とにかく試合としては非常に面白く、また鹿島の日程が見る分にはいい日程（そう、ひいき関係なく見る分には。鹿島ファンと関係者の皆様の心労はお察しします）というのがナイスですわ本当に。

で、お陰でセカンドステージは関東で過ごします、と宣言できるのでありました。