スポンサー変更のお話

この2件についてネガティブな意見が幾つかあった。
まあよく考えて貰えば、シルバースターがアサヒビールにスポンサードして貰うようになったのはNFAが現行システム(実業団+東西社会人から東西ブロック)へ変更されるタイミング。
アサヒ飲料がスポンサーになったのはXリーグ体制になった年。

どちらも一世代(30年近く)終えているのである。
そして、どちらのチームもスポンサー企業出自では無いんだわ。

そういうチームにおいてスポンサーって10年単位で換わるモノだよ(サッカーの胸スポンサー見てみれば判る)。

その中でこれだけ長い期間、チームが自力でアピールする事無く(チームとして地域貢献などを、最近までほとんどしていない)支え続けたし、協会に社員として金銭的にも協力してくれてきた事にただただ感謝である。

※コロナ禍より少し前からやたらと両チーム地域活動を打ち出していたので、まあこうなるとは思っていた。

2024年1月21日国立霞ヶ丘陸上競技場第一試合DreamJapanBowl

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 日本選抜 JP 10  10 
 IVYリーグ選抜 IV
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 JP 5:00   #4グラント29Yard Run  #5納所Kick
1 JP 15:00   #5納所51Yard FG   
2 IV 4:41   #97ケネディー26Yard FG  
4 IV 0:11   Safty(キャリアがエンドゾーン内でデッド)  
  日本選抜 IVY選抜
1stDown(Run-Pass-Foul) 13(9-4-0) 17(9-6-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 36-146-1 42-174-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 22-12-1-122-0 28-15-1-106-0
Total(ATT-Yard) 58-268 70-280
反則(Att-Yard) 6-42 5-50
Punt(Att-Yard) 6-261 7-279
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 6-0-14 1-1-0
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 2-0-41-0 2-0-12-0
Fumble(Att-Lost) 0-0 2-1
攻撃時間 25分28秒 34分23秒

いや凄い結果なんです。凄い事なんです。

なんですけど……

手放しでは喜べないというか……

1つには1Q入ってすぐにゲームクロックのミスに対する対応(2秒戻す、が出来なくてかなり漠然と指試合が止まってしまった)事でなあーーーーーーーーんとなく間延びしちゃって。

その上で、外国人ばかり活躍してという意見はちょーーーーーっと置いておく。

気になったのは「層の薄さ」ね。
正直QBとして見たら荒木は羽判断が遅くてパサーとしては疑問符が付く(※パナのOLが強い上に相手守備が決して超強力では無いのでプレッシャーがかかった場面が少ない)。つまり政本と高木の次が育っていない。
WRも宜本に集中している(若手のブレナンあたりが目立つのは後半)し。
攻撃も時間的に2Qと3Qはほとんど機能していない(2Q4分半3Q2分半)ということから見ても、つまり高攻撃は「相手の気持ちが切れたトラプルに乗じて先制した1Q」だけだったと言って過言では無い。

いや2年後は惨敗するよ本当に。

それを堪えたのは守備ですよ。今回サマジーがMVP取ったし攻撃では宜本が目立ったけど、実際はDLの奮闘と、後半相手機動力に馴染んでRPOやブーツ系のプレーに果敢にプレッシャーをかけにいったLBの奮闘とか、そっちの方が魅力的だったですよはい。

逆に言うと、サマジー無双させてしまった日本選抜の攻撃バックフィールドはもっと発憤せんといかんのよ。

そういう試合でした。

その他運営についての苦言は昨年同様別途。

2024年1月3日東京ドーム第一試合77thRiceBowl

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 富士通フロンティアーズ FF 16  
 パナソニック・インパルス PI 10
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 FF 7:18   #2ニクソン5Yard Run  #5納所Kick
2 PI 5:12   #42立川1Yard Run  #16佐伯Kick
2 FF 12:03   #5納所47Yard FG×  
2 FF 14:57   #5納所34Yard FG  
3 PI 11:19   #16佐伯36Yard FG  
4 FF 0:53   #4グラント→#11木村21Yard Pass  #5納所Kick
  富士通 パナソニック
1stDown(Run-Pass-Foul) 24(8-15-1) 14(7-7-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 38-87-1 32-141-1
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 38-23-1-254-1 22-11-0-150-0
Total(ATT-Yard) 76-341 54-291
反則(Att-Yard) 4-20 3-25
Punt(Att-Yard) 4-157 4-214
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 2-0-23 3-0-8
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 2-0-37-0 1-0-17-0
Fumble(Att-Lost) 1-0 1-1
攻撃時間 35分47秒 24分13秒

ポール・ラッシュ杯 富士通#4サマジー・グラント
※観客動員20.202人 ただしハーフタイムショーの影響も多少はあるかも。

試合は、パナソニックのリターンで始まる。これをしっかり止めた富士通が返しのドライブであっさり先制した。そう、すっごくあっさり先制した。
ぶっちゃけここでかなり気楽になって見ていたのだが、2Qあたりからパナソニックの守備が色々仕掛けてきた。誰か1枚ブリッツを入れる事でプレッシャーをかける方に切り替えたのである。
これ、ゲインしているけれど手数がかかりすぎている。
逆にパナソニック攻撃は#12荒木を先発させるがどうも載らない。インターセプトから得たチャンスでTDを取るも、どうしてもドライブが出来ない。
※スタッツを見ると3rdコンバージョン成功率がパナソニックが低すぎる。

そういう意味で「いつ繰り出すのか」と思っていたパスプロドローは3Qに繰り出して、これは止められないという焦りを感じていたが、なんか同点においついてから出さなくなったんよね。
※NTが神山から宮川に変わった事が影響しているのか、数プレーで辞めてしまった。
逆に4Q 5:24の追い上げている時の敵陣7Yardでの4Thギャンブル、あれはどうだったのかという疑念が残る。
もしあれがFGだったとしたら、残り9分有るので3点差。結構富士通にはプレッシャーになったのではないかと思う。あれはそれだけ大事な局面だったんだが、富士通のハイプレスに敗れたという感じだった。

それにしても……X(旧Twitter)ひどいな

・でたらめな発言:特に「いままで横方向だったのに」とかいうデタラメ発言。国内の試合では横方向(エンドゾーンが3塁←→1塁方向)だった事は一度も無い。適当言うな。
・バックネット裏に行ったらカメラ櫓とボードが邪魔だったという発言。そもそもrtv入ってからそこは縦方向の櫓入っているし、前年も~というならそんな所座る方がおかしいし(縦方向に観たい人なのかと思ったがどうも違うっぽうし)、自由席とかありもしない券種言うし。
・富士通勝って面白くないとか言う。じゃあ学生は関学勝って面白くないと言え。そういう所だそ。

他にも結構デタラメな発言、誤解を招く発言が特に今年はひどかった。気がついたら訂正コメント入れまくって「まるでコミュニティノートみたい」とか揶揄された。
俺が突っ込むより先にみんなちゃんと突っ込んでくれ。

2023年12月10日等々力陸上競技場第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 富士通フロンティアーズ FF 10  24 
 オービック・シーガルズ OS 17 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 OS 4:27   #17クルカ→#5西村(有) 10Yard Pass  #96高坂Kick
1 FF 7:34   #4グラント1Yard Run  #5納所Kick
1 FF 12:54   #5納所41Yard FG  
2 OS 10:50   #96高坂44Yard FG×(Block)  
3 OS 10:18   #96高坂50Yard FG  
3 FF 13:38   #18高木→#4グラント6Yard Pass  #5納所Kick
4 OS 8:21   #29李6Yard Run  #96高坂kick
4 FF 12:43   #2ニクソン16Yar Run  #5納所Kick
  富士通 オービック
1stDown(Run-Pass-Foul) 12(5-5-2) 18(5-13-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 22-106-2 24-98-1
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 23-19-0-180-1 40-30-0-260-1
Total(ATT-Yard) 45-286 64-358
反則(Att-Yard) 5-25 2-30
Punt(Att-Yard) 5-219 3-124
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 2-0-8 3-0-17
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 4-0-43-0 5-0-116-0
Fumble(Att-Lost) 1-0 1-0
攻撃時間 26分12秒 33分48秒

ぶっちゃけ、富士通ファンとしては「負ける気がしなかった」というのが本音。
それはどこで感じたかというと、2Q3:49の4th1Yard、Ball on 9Yard のスニーク失敗の時点である。
いやぶっちゃけあそこはFGで良かったのよ。どうしても攻めたければQBスニーク2発ではなく、七斗か李のブラストにすべきだったのよ。
つまりかなり「切羽詰まった感じ」になっていた訳。
次のFG失敗(ブロック)にしても、一つ前に攻めきれなかった事で中央が押し込まれる事が見えてしまった感も出ていた訳で、この2つの得点機会損失が、試合の趨勢を決めてしまったと言って過言では無い。

というのも、守備の方はまずニクソンをかなり抑えていた。
……スタッツで100Yard越えてたけど、実際には「あれ、止められている」という印象が強い(ビックゲインが1回だけで、16回キャリーしてこの値は彼らしくない)。これは特に外側のプレーが押し込まれていたという事に起因してる。
最終盤に思い切ってインサイドを突いて力業に出てTD取ったとは言え、かなり苦戦していたのは事実なのである。
さらにパスカバー。グラントに7回も、という印象があるかも知れないけれど、本来目立つ筈の柴田や小梶がこの記録である。かなりタイトなカバーをしていたし、かなり四苦八苦していた印象が強い。

その上で攻撃のスタッツも良い値を出している。今季は李がスロットにセットすることが多いけれどそれは七斗が素晴らしいからであり、ショートパスの脅威として李を生かす選択をしたからだ。この試合では思った程キャッチ出来てないが、その代わり有斗とジャマールがそうとう目立っていた。
これは決して負けていないしむしろ本来はもっとゾクゾクと富士通ファンの背筋に脅威を感じさせる無いようであったと言って良い。

だがしかし、だ。
やはり2Qの攻撃の判断ミスが、そうさせなかった。
そしてなんと言っても「得点に至るプレーの、プレー数対獲得距離の比率で、手間取っている感じが強い」というのもある。

だから、これは「社会人とクラブの差」とかそういう話では無い。明らかに戦略ミスなのである。

202311月9日富士通スタジアム川崎第二試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 胎内ディアーズ TD  7  10   0  17 
 オール三菱ライオンズ ML  14  31 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 ML  2:37   #5ギブス→#89長岡14Yard Pass  #8木村Kick
1 TD 7:37   #24川村7Yard Run  #14青木Kick
2 ML 1:34   #25中野1Yard Run  #8木村Kick
2 TD 4:49   #9加藤→#88樋之本5Yard Pass  #14青木Kick
2 TD 9:17   #14青木22Yard FG  
2 ML 11:36   #5ギブス→#7土屋7Yard Pass  #8木村Kick
3 ML  4:11   #5ギブス→#84奥瀬40Yard Pass  #8木村Kick
4 ML 1:25   #8木村25Yard FG  
  ディアーズ オール三菱
1stDown(Run-Pass-Foul) 14(9-5-0) 18(2-16-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 23-157-1 25-80-1
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 27-12-3-158-1 28-20-2-316-3
Total(ATT-Yard) 50-315 53-396
反則(Att-Yard) 5-20 7-53
Punt(Att-Yard) 3-109 4-138
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 3-0-41 2-0-13
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 6-0-116-0 4-0-81-0
Fumble(Att-Lost) 1-1 0-0
攻撃時間 21分25秒 26分35秒

いやなんというかその。
今季のディアーズを象徴する試合だったなあと。
スタッツ的にそんなに差が無いんだけど、インターセプトもファンブルロストも地味に響く内容で、後半に相手がアジャストしてしまうと打つ手がなくなるのも大きいし。
何より記録のあるレシーバーにエース級の名前が無い(つまりは怪我などで層が薄い)から、現在の台所事情では厳しい試合だったのだろう。
逆にオール三菱はよく堪えた。何に堪えたのかというと、じれったさに対してである。
実際の所、前半はギブスのキープを多用したけれど、相手が食いついてくれると2Qから徐々にキープしなくなる。だが相手もしっかり食らいついてくるという中で、無理をしたくなるじれったさがあったにもかかわらず、自重した。
決して無謀な事はしなかったのが勝因だろう。

ただ、現状のデプスではかなり来季は厳しいので、何らかの対策を-特にOLの層の厚さをなんとかしないと厳しい-講じないといけないだろう。

ディアーズは、もうこれはフットボール・スタミナの問題。1試合通じて肉体的精神的かつ知略的に相手を圧倒する力が備わらないと駄目だろう。厳しいなあ。

202311月9日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 電通キャタピラーズ DC 10 
 富士フィルム海老名ミネルヴァAFC FM 10  17 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 DC 6:16   #7山本 20Yard FG  
2 FM 5:40   #12鈴木→#84バンデューセン 16Yard Pass  #94大野Kick
3 FM 11:46   #97大野25Yard FG×(Block)  
4 DC 3:27   #30遠藤4Yard Run  #7山本Kick
4 FM 9:43   #29山田1Yard Run  #94大野Kick
  電通 富士フイルム海老名
1stDown(Run-Pass-Foul) 9(1-7-1) 13(1-11-1)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 20-51-1 21-38-1
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 26-13-1-163-0 30-17-1-227-1
Total(ATT-Yard) 46-214 51-265
反則(Att-Yard) 6-41 4-34
Punt(Att-Yard) 4-158 4-157
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 3-1-0 4-0-25
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 3-0-47-0 3-0-64-0
Fumble(Att-Lost) 2-1 0-0
攻撃時間 21分53秒 26分7秒

色々あって1Q最終盤から観戦。
見たところからすると、どうしても今期の富士フィルムが抱えていた弱点であるOLが相手DLに勝てない問題が出ていたようで、あっさり電通DLにやられてQBがプレッシャーに晒される事態に追い込まれていた。
ところが2Qにハイプレッシャーの裏に、桑原のアクロスが決まってから流れが一変した。ここからQBに対するプレッシャーが届きにくくなったのである。
たたみかけるようにTDとFGを奪い、試合が少しだけ富士フィルムよりに流れた。
ここで注意をせねばならないのは富士フィルムのタイムアウトの入れ方。途中スポッターが「うちこんなに積極的に使って大丈夫なのか」と呻いていたが、とにかく守備で「ここぞ」という所でタイムアウトを入れて、恐らく普通ならドライブされても次のダウンに対処する可能性に賭けるところを、乾坤一擲の守備で止めてしまった所だ。
そこが電通との大きな違いになった。

無論電通が無策だった訳では無く、4Qにハイプレッシャーから無理投げを誘って敵陣深くでのインターセプトに結びつけ、とこで得た攻撃権をTDに結びつけたのだから。
しかしそれで揺るがなかった富士フィルムの胆力が上回ったというところだろう。
また電通は要所での反則が頂けなかった。相当荒いシーンがあったので注意して欲しい。

ともあれ、両チームともにベースであるラン攻撃を封じられた中でどれだけ辛抱強く自分たちのスタイルを通したかという所がキモだったように思う。

あとさすがに、ゲームクロックとプレークロックの不具合で時間が無駄に流れたのは勘弁して欲しかった(ゲームクロックは審判員さんの操作ミスもあったのかね?)

2023年11月26日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 オール三菱ライオンズ ML 10  24 
 PentaOcanパイレーツ MP
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 ML 4:53   #5ギブス 3Yard Run  #8木村Kick
1 MP 12:00   #47水村 37Yard FG×  
2 ML 4:33   #8木村 43Yard FG×(Block)  
2 MP 10:48   #23渡邉 46Yard FG×   
3 ML 10:35   #5ギブス→#18多田 17Yard Paqss  #8木村Kick
4 ML 4:45   #8木村19Yard FG  
4 ML 11;26   #5キブス→#89長岡11Yard Pass  #8木村Kick
  オール三菱 パイレーツ
1stDown(Run-Pass-Foul) 16(6-9-1) 8(5-2-1)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 30-136-1 21-51-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 18-14-0-186-2 21-9-1-64-0
Total(ATT-Yard) 48-322 42-115
反則(Att-Yard) 4-15 4-25
Punt(Att-Yard) 1-33 3-103
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 1-0-2 2-0-1
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 1-0-33-0 5-0-83-0
Fumble(Att-Lost) 1-1 0-0
攻撃時間 26分56秒 21分4秒

平たく言うと「西澤の一人負け」な試合でした。
両者強固な守備を持つ(実は失点はエリア3位/X1全体でも6位のパイレーツとその一つ下のオール三菱)為に徹底した守備戦になるかと思ったら、4Q出だしまでそういう試合だった。
※最後のTDは、パイレーツ側が時間を流せば発生しなかった。タイムアウトを取ったことでTDプレーに切り替えたもの。つまり取るべき時に得点していれば点差は17-10だった可能性が残る。

でだ。今季のパイレーツは春先に#3柴田という凄い選手が入った事でランに軸が出来た、と思って見ていたのだが、途中からキャリー数が激減してしまった。怪我とか色々あったんだろうという予想はつくのだが(ツープラトン組んでいた草野が安定して良かったから目立たなかった)、西澤のパスが不安定で……
多分「自分でなんとかしなくては」と指先に力が入りすぎているのか、やたらボールがお辞儀をしたりターンボールだったりしていて、とにかくレシーバーとの呼吸が合ってなかった。
そういう意味で「西澤の一人負け」という小表現を使った。

逆にギブスは相当辛抱強くプレーしたと思う。とにかくリードしていたという事が心理的に有利に作用していたのか、負けたときによくある「責任感強く自分で何とかしよう」という動きが少なく、またRBを適切に使って負荷を軽くして来た。
その結果、追加点を取ってからぐっと楽になった感じがした。

ともあれ、パイレーツは殻を破れなかった。得点力不足という事をキャプテンが言っていたが、多分そこじゃない。攻撃の厚みみたいなものが足りなかったのだと思う。
勿体ないチームだと思う。
どうも「守備が安定すると攻撃が出ない」「攻撃がはまっているときは守備が出される」を繰り返しているような10年間だと思う。
そういう意味では継続性の問題とも言えるだろう。

ライオンズは、この決して厚くない選手層でよくここまで来たと思う。

2023年11月25日富士通スタジアム川崎第一試合

 

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 富士ゼロックス海老名ミネルヴアAFC FM 14  24 
 警視庁イーグルス KE 14 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 FM  5:10   #94大野43Yard FG×(Block)  
1 FM 7:01   #12鈴木→#3安達 25Yard Pass  #94大野Kick
2 FM 3:05   #3安達 48Yard Punt.Ret  #94大野Kick
2 FM 9:03   #12鈴木→#22桑原 47Yard Pass  #94大野Kick
2 KE 12:00   #19齋藤→#15恒吉5Yard Pass  #3長洲Kick
3 FM 10:50   #94大野 31Yard FG  
4 KE 6:51   #19齋藤→#15恒吉9Yard Pass  #3長洲Kick
  富士フイルム海老名 警視庁
1stDown(Run-Pass-Foul) 9(2-7-0) 13(4-9-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 18-25-0 28-81-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 23-14-0-181-2 33-15-1-140-2
Total(ATT-Yard) 41-206 61-221
反則(Att-Yard) 4-22 4-10
Punt(Att-Yard) 5-157 3-100
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 3-0-48 3-0-7
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 2-0-14-0 5-0-134-0
Fumble(Att-Lost) 0-0 1-1
攻撃時間 22分31秒 25分29秒

いつも後半にエンジンがかかって相手を圧倒する警視庁にとって、この日の前半3TD奪われたのはダメージが大きかった。
そして、ギャンプルの仕掛け時が悪すぎた感じもする。

結局警視庁の失点は
・ファンブルロスト→パスでTD
・パントが短かった→パントリターンTD
・インターセプト→CB千切られてパスでTD
・パントが少し短くて警視庁陣からスタート→FG
と、なんかのミスが絡んで流れが変わってしまった点にあるのと、その潮目を逃さずしっかり攻めきった富士フィルムのしたたかさ+勝負強さにある。
警視庁は
・1Q敵陣のパントフェイクランが失敗して4thギャンブル失敗
→返しのドライブを凌ぐも、その次の攻撃のパントでリターンTD
・4Q敵陣5Yardからのギャンブル失敗→ただしこの返しの攻撃のパントが短くて、警視庁は次の攻撃でTD
という2つのギャンブルの仕掛け時に疑問が残るが、この日の齋藤の出来とラインの強度(多分オール三菱戦での負傷が引きずっていた可能性大)に問題があったと言えるし、逆に富士フィルム守備が凄く仕上がっていた事も意味している。

つまりは双方持ち味を存分に出し切って戦った好ゲームだったという事である。

2023年11月19日横浜スタジアム第二試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 富士通フロンティアーズ FF  0  10 
 東京ガス・クリエイターズ TC  3
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 TC 7:49   #7高橋 49Yard FG×  
TC 11:28   #7高橋 27Yard FG  
2 FF 1:33   #28香川 1Yard Rum  #5納所Kick
3 TC 3:14   #7高橋47Yard FG×  
3 FF 8:00   #5納所29Yard FG  
  富士通 東京ガス
1stDown(Run-Pass-Foul) 17(8-8-1) 6(1-5-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 37-118-1 14-30-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 20-15-0-167-0 25-11-1-180-0
Total(ATT-Yard) 57-285 39-210
反則(Att-Yard) 4-35 4-40
Punt(Att-Yard) 3-105 3-109
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 1-0-8 2-2-0
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 2-0-15-0 3-0-24-0
Fumble(Att-Lost) 1-1 0-0
攻撃時間 28分38秒 19分22秒

今現在チームのデプスチャートが充実しているのが富士通とパナソニックである事は間違いないだろうけれど、これは「全体練習日数が他チームより1日多いから」ではなく、エースが君臨している最中に次の世代を育てる文化が出来ているから、なのである。
※富士通はこれが構築されるのにブラット・ブレナン引退後どれだけ迷走したか。特にレシーバーとLBがね。

それが遺憾なく発揮されたという試合ではある。というのも自慢の外国人カルテットでスタートしたのはサマジー・グラントだけ。ジョー・マシスが最終盤2プレーほどはいったが、他にもスターター級が何人が休んでいるし、三宅が負傷して途中から出られなくなったし、まあ高木が出てないし。キッキングもキックオフは早々に坂本にスイッチしてた。
それで、この結果である。

確かに東京ガスのパス守備は凄かった。凄かったが故に無理せずランを軸に攻めた。野沢を軸にそういう攻撃に仕立てた。
今季ライズ戦であの壮絶なパス守備を魅せたのと同じように、この試合の東京ガスのパス守備は見事だった訳で。逆にラン主体となった時に要所でランが止められず時間を消費してしまった訳だが、守備の方法論としては凄く魅惑的な仕上がりしていたのである。
それこそパントのホームランスナップとかロケットファンブルとか、いいプレー沢山有ったのよ。前節の対IBM戦のスタッツ見たら判るでしょ。
問題は攻撃。
多分今季2試合目の登場であるティヴァカという話だが、いやいやいきなりいきなり加藤やノアにドッカンとパスを通すのよ。やばかったよマジで。
でも得点出来たのが、富士通ホームランスナップ(公式記録ではギャンブル失敗)した時だけというのが原因で。
それはやっぱり星野・森分という素晴らしいRBを生かし切れないOLの問題かも知れない。
いやさそれこそQB若林で良くない?

ただ、守備は整って来た。バックフィールドも揃ってきた。東京ガスは来季に言い補強をしてしっかり仕上げてきたら、凄い事になりそうな予感がする。

富士通は次節、今回お休みした面々が戻れるかどうかだな。

2023年11月19日横浜スタジアム第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 IBM Big Blue IB 10  24 
 ノジマ相模原ライズ SR 13  21 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 IB 4:25   #11福岡 44Yard FG×  
1 SR 5:16   #6パランデック→#1ヴォーン55Yard Pass  #37佐藤Kick
1 SR 11:42   #6パランデック2Yar Run  #37佐藤Kick×
2 IB 8:06   #10ヴィラモンテス 1Yard Run  #11福岡Kick
3 SR 4:58   #42小林8Yard Run  #6パランデック→
 #84吉田 Pass
3 IB 7:33   #21平松 23Yard Run  #11福岡Kick
4 IB 3:48   #10ヴィラモンテス→#40スタントン22Yard Pass  #11福岡Kick
4 SR 10:56   #37佐藤64Yard FG×  
4 IB 12:00   #11福岡56Yard FG  
  IBM ノジマ相模原
1stDown(Run-Pass-Foul) 20(7-13-0) 16(6-10-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 32-104-2 28-95-2
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 36-23-1-251-1 32-16-0-230-1
Total(ATT-Yard) 68-355 60-325
反則(Att-Yard) 2-17 2-15
Punt(Att-Yard) 3-112 2-56
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 1-0-0 20-0-1
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 3-0-75-0 4-0-95-0
Fumble(Att-Lost) 1-1 0-0
攻撃時間 25分55秒 22分5秒

いやーーーーーーーーーーーーーーーー
偶々IBM側で見ていて(次の試合が富士通で、同じサイドだったから)次第次第に熱狂に巻き込まれていった凄い試合だったですわ。
※ライズ側に居ても同じだったと思う。

試合は正直言って、政本とパランデックのどちらが先に調子に乗るが、だという風に思っていたが、IBMはヴィラモンテスをメインに据えてきた。
こうなるとちょっと様相が変わり、パランデックが調子に乗るのが早いかヴィラモンテス対応でライズ守備が疲弊するのが先か、という話になる。
実際は、チームの仕掛けがラン主体でありながら、吉澤頼みになったライズのランが機能するかどうかという局面で、実はチームのラッシングリーダーであるパランデックのスクランブルは機能しなかった(我慢したのかな)に対して、ヴィラモンテスのアクロバティックな動き(動いてからパスというのもある)と平松の計画的なランが機能的に出たIBMの方が相手に嫌な攻撃だったかも知れない。
実際、ライズの得点は最初のTDを除くとファンブルリカバー(ライズ陣49Yardから)とインターセプト(IBM陣31Yardから)で、敵陣での2回のギャンブルなど腑に落ちない(パントの方が良かったと思うんだ2回とも)点からも「消耗しては勝てないから、なんとしでもここで取り切ろう」という焦りのようなものを感じた。
考えてみればライズ最後の攻撃は見事なものだったのだから、焦らなくても良かったのにと思う。
これは後半からパスレシーバーへのカバーが厳しくなってきたせいもあるのだろうが、3Q途中からレシーバーへのパスが決まらないのがプレッシャーになったのか。
翻ってIBMは新人の糸川が後半の軸となり、それによってスタントンや鈴木が空くという構造で、そこにヴィラモンテスの動きが加わることで最後まで引っ張って行く余力があったという事か。

試合後ネットで「駒を揃えることとデプスを揃える事は違うんなだな」という発言を見た。実際1本目に負荷がかかっていたライズと、選手層に余力があったIBMの差、というのもあっかも知れない。
※これはここ数年のガルズにも言える。突出した1本目に依存することで、才能有る控えの芽が出ずに引退してしまうケースも少なくない。
それにしても、56ヤードFGはしびれた。