Xリーグプレミアについての私見

かなり否定的でネガティブな事を並べます。

正直協会理事の人事見ていていやな予感はしていたんだ。
渡部さんの後並河さんって、オービック(リクルート)閥なんよ。そこに西村さんと山谷さんという元アメフト関係(その後スポーツビジネスの現場に出ている。山谷さんはバスケ協会から茨城ロボッツを経てリーグワンの静岡(ヤマハ)、西村さんは滋賀レイクスから茨城ロボッツ)の外部理事入れたんで、近々プロ化に向けてのワーキンググループを立ち上げるかと思ったら!

プレミア化の是非はおいておくとして、まず悪手なのは「改革への発表から実施までの時間が異様に短い」という事。
Jリーグがプロリーグ化を施策として公表してから実施まで10年間かけていて、その間に選手のプロ契約化を浸透させた。
同様の施策を取ったBリーグは決定から実施まで5年開けている。
似たような施策のリーグワンやリーグHでも3年。
※ただしリーグHは施策発表後にすったもんだあって推進していたチェアマンが日本協会と揉めて一度退任したと記憶している。リーグワンに至ってはチーム運営に対して従来のアマチュア思考と実業団思考が残ったまま開幕直前にトップリーグから降格したチームの解散だとか、ここへ来てNECの撤退騒動とか問題がゴロゴロ発生している。

恐らく内部で十分な検討をしてその上での施策発表なのだろうが、審査完了から公示されても「そりゃねーよ」というスポンサーが出ても文句は言えないだろう。

実はXプレミアの目玉である「春秋一気通貫シーズン」などは、別にプレミア化せずにも遂行可能な施策である(X1スーパーだけ実施すればいい)。プロ選手や外国人選手の問題に至ってはそこで運営を差別化するならプレミア化しなくても出来る。
実業団チームと実質プロチームが上位を寡占している事に対する対応として、事業規模として運営資金の下限を設けた事は、完全に失敗だったと思っている。

というのも、基本的に「それはもっとチームに運営というものに目を向けさせてから」すべきだからであって、初っぱなからそこそこ高額な枠を設定してしまった為に参加チームが限られてしまった上にメンバー固定リーグとなってしまったので、「弱いチームが危機感を持って運営する」という事ができなくなり、おそらく下位低迷したチームは抜け出せないし中位低迷したチームはぬるま湯につかった状態になる。
これは初期Jリーグがそうだった。降格ルールが出来るまでどんなに弱くても「優勝狙います」言って、降格ルールが出来てから「いや残留が……」という事例があったのは有名だ。

一応リーグ固定(入れ替え戦をしないで、チームのエクスパションを主軸にする)というのは北米スポーツの一つの形態だが、それ故になにかあるとリーグ自体がぽしゃる。
日本で言うとJHL(日本リーグが廃部が相次ぎ、4チームになってしまった事でロシア極東(現在は不参加)と韓国のチームを組み入れて試合数を担保させた)がそう。

※ただ、このところX1エリアとX2の間で、昇格意志なしというチームが上位に来る事が続いたので、少なくともX1スーパー相当とX1エリア相当での入替戦のみに力点を置くべきだ。

これから経済状況によってはボロボロとチームが脱落してまう。そうなったときにどうするのかビジョンがまるで語られていない。単に「昔みたいになチームを吸い上げて1部リーグを維持する、はしない」という意思表示しただけで、弱体化したチームを切り離す・入れ替える制度がない現状のプレミア案は「小さい島でやる焼き畑農業」のような危険すらある。

まずプレミア化に移行する為に実施しなくてはならないのは以下の通りだ

  • 登録選手を現行の63名から50名に削減。かつ練習生の規模は5人までとする。
  • ベンチ入り選手は43名とする。
  • シーズンは4~6月と9~12月。それぞれに選手登録を実施する(入替・移籍は春期内・秋期内は不可)。
  • 海外リーグとの重複契約は不可。春期または秋期のどちらかに海外挑戦する事は出来るが、当該期間に帰国しても登録できない(春はEFL/秋はXというのは可能)
  • 各チーム「ホームスタジアム」を持ち、春期と秋期それぞれで2試合を主催する。あくまで主催試合についての収支はチーム内で完結させること(リーグからは暖簾代のみ)
  • 登録可能なチームスタッフはコーチ10人トレーナー+スタッフ12人
  • 外国籍選手は「日本協会加盟の大学・大学校チームに3年以上所属して、当該学校の学位を取得したもの」は日本人扱い。高校はカウントしない。
  • X1エリアは廃止し、X2として改組。東と西でチーム数が違ってもよいので、東西でリーグ戦と東西交流戦(2試合)を実施。
  • 現X2以下は「関東社会人」「関西社会人」として独自運営する

上記で3年間運営して事業規模を決定すればよかったのである。少なくとも「事業規模2億」という高めの振れ幅にならなかったはずだ。

11チームで、隔週で、サマーブレイクがあるようなリーグは、単純に「間延び」して興味が維持できないと思う。プレーヤーファーストである限り隔週はやむを得ないという意見はあるが、ぶっちゃけ3週2試合ペースで消化して、「春で上下を切り分けて、秋で2回戦制をする」とかそういう緊張感のあるリーグにしないと、恐らく「やっぱり無理でした。東西でブロック戦やって東西交流戦しておしまい」に収斂してしまう。

従って、現時点で「プレミア」に絞ってしまったのは下策だと思う。5年10年かけて周辺スポンサーに認知を広げつつ、商圏の確立(少なくとも神奈川のチームは近すぎる)など商業的に必要な事の足固めを始める事が必要なのではないか。それは「プレミア化の前」であって、先にプレミア化してしまったのは悪手でしかないと思う。

まあ恐らく、3年持たずに元に回帰すると思ってるけど。

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