2022年9月24日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
富士通フロンティアーズ FF 29 21 10 9 69
otonari福岡SUNS FS 0 7 0 14 21
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 FF 6:14  #18高木→#85松井3Yard Pass   #13高津佐→#82藏野Pass
1 FF 8:33  #21三宅45Yard Run   #5納所Kick
1 FF 8:46  #50海﨑56Yard Int.Ret   #5納所Kick
1 FF 12:00  #18高木→#85松井54Yard Pass   #5納所Kick
2 FF 2:40  #43井本53Yard Fum.Ret   #5納所Kick
2 FF 5:27  #18高木→#19小梶28Yard Pass   #5納所Kick
2 FF 7:20  #18高木→#4グラント31Yard Pass   #5納所Kick
2 FS 11:57  #11西山→#7横山3Yard Pass   #19高木Kick
3 FF 5:36  #5納所20Yard FG    
3 FF 7:28  #21三宅93Yard Run   #5納所Kick
4 FS 1:45  #11西山→#2城代26Yard Run   #19高木Kick
4 FF 9:26  #5納所27YUard FG    
4 FS 10:58  #11西山→#18大迫5Yard Pass   #19高木Kick
4   12:00  #33高口30Yard Ruinm   (キック放棄)
  富士通 otonari福岡
1stDown(Run-Pass-Foul) 24(12-12-) 14(3-10-1)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 27-337-3 27-50-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 29-20-1-333-4 36-19-2-241-3
Total(ATT-Yard) 56-670 63-291
反則(Att-Yard) 7-35 4-5
Punt(Att-Yard) 1-33 7-258
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 4-0-17 0-0-0
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 4-0-72-0 11-0-191-0
Fumble(Att-Lost) 0-0 1-1
攻撃時間 20分37秒 27分23秒

ぶっちゃけ「勢い込んで始めたものの全く想像とは異なる世界でバタバタして、相手のメンツが1段堕ちるまで全く話にならなかった」サンズ攻撃と、「最後まで為す術なくロングゲインを許し続けた」サンズ守備、そして「メンツ落とした途端に進まれる富士通DB陣」という試合内容でしたわ、はい。

まずサンズの序盤、DBにベタ付かれしてタイミングが狂ったサンズのレシーバー陣。ボールを確認するために振り向くと完璧に減速してしまい攻撃がその呈を為さない。
攻撃でパスが決まりだしたのは特にCBが後退して2本目になってから。多分その頃には落ち着いたのかも知れないけれど……あまりにそこの対応が遅すぎ。
またパスに偏った攻撃で、例え出なくても楔のランを伐っておくべきだと思うんだが、2ヤードでも前に出ていた方がプレッシャー少ないだろうに、と思う事は多々あった。
後半は相手守備に対してそこそこOLも当たれていただけに、ゲームプランの問題なのかも知れない。

守備は一貫してLBが機能していない印象と、特にCBが抜かれるの怖がりすぎて下がり過ぎてしまい、カット切られてどフリーとか結構あったので、LBのサポートが欲しかった。またランサポートも相当ラインに巻き込まれていたからなあ。

あとは全体的に体幹。富士通の選手を最初のヒットで止められていないのは、少し考えちゃうなあ。

富士通は春からずっと続いているDBの若手が出てきていないのが顕著。しかもそれもワイドアウトとCBが必ずマンツーマンになり、FSのサポートがない(LBのヘルプに入っていた)というのはちょっとしんどくないか? 

ところで、4Q中盤に突如鳴り響いた火災報知器はいったいなんだったんだろう。
少なくとも「火災発生」とまで言わせておいて、試合止めないのはおかしいだろうマッチコミッサリー。

2022年9月19日第一カッターフィールド第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 警視庁イーグルス KE
 アズワン・ブラックイーグルス AB 10  24 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 AB 4:57  #14森下30Yard FG    
1 AB 10:48  #42田中12Yard Run   #14森下Kick
2 AB 8:40  #14田中56YArd FG×    
3 AB 6:07  #10糟谷→#86川畑20Yard Pass   #14森下Kick
4 KE 10:05  #50山口32Yard FG   
4 AB 10:00  #39三谷44YArd K.O.R   #14森下Kick
  警視庁 アズワン
1stDown(Run-Pass-Foul) 8(4-4-0) 16(10-6-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 20-40-0 37-212-1
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 33-17-1-204-0 19-8-0-165-1
Total(ATT-Yard) 53-244 56-377
反則(Att-Yard) 4-30 5-45
Punt(Att-Yard) 4-145 3-104
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 1-0-10 2-0-5
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 3-0-40-0 2-0-66-1
Fumble(Att-Lost) 0-0 1-0
攻撃時間 21分10秒 26分50秒

まあアズワンがよく研究してきたというのが正しい評価かな。
1Qの攻撃で#10糟谷のパスが冴え渡った所から話が始まり(というかこの出来はAriaでは出色の出来で、このままパスで攻めてもいい出来だった)、1Q後半からはワイルドキャット体系を駆使してランをぐいぐい出す展開となった。
これが2Qで得点出来なかったのは、エンドゾーンを背負った時の攻め方と、警視庁の守備が得点を許さなかった事に起因する。

ではどうしてこんなにアズワンのランが出たのかと言うと、一つに「チェンジ・オブ・ペース」に警視庁がやられたという所だろう。
警視庁自体の守備は、元々LBがDLをサポートする形で上がり目になる事が多いのだが、突っ込んできた守備選手がRBに躱されてしまうシーンは特に、直前でチェンジ・オブ・ペースしたりカットバックしたり、巧妙にタイミングをずらして来た。
その前提として攻撃のタックルがDLとLBを押し込んでいる状況があり、内側から押さえようとすると外、外を守ろうとするとピックアップされた上にタイミングをずらされる、じゃあDBがさらにサポートに来るとパスを狙われる……という悪循環に陥ってしまったのだ。
ところが肝心要のショートヤードの時は、一部のパワー体系以外、パワー体系でも後半は思ったように前進できなくなっていたのは、チェンジ・オブ・ペースやラインブロックのアサインが正直すぎたという所がある。

警視庁は看板のランではなく、前節後半から調子の出てきた#19斎藤のパスから入るなど、相手の読みを外す形で序盤の組み立てをしたが、それでも先制されてから上手く廻らなかった感が強かった。
ただ、何というか「つかみ所が無いストロングポイント」感(註:褒めてます)が この試合も随所に出ていて、今後も昨年同様昇格戦線をひっかきまわしてくれそうである。

現時点での観戦お休み

●まず過去形ですが9/17は急遽休日出勤になったのでお休みしました。

●次節9/25(日)は個人的な都合(父の相続の打ち合わせ)で欠席の予定です(予定ではオービック対エレコム)

●父の法事の都合で、11/5(土)は欠席となります(ノジマ相模原対オール三菱の予定)

そんなことで、関東のチームながら・ガルズ・パイレーツの2チームは10月に入るまでお目にかかれません。

2022年9月18日第一カッターフィールド第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 富士フイルムミネルヴァAFC FM
 三菱商事ClubTriax MT
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 FM 4:20  #3安達37Yard FG    
1Q4:20と1Q終了時に近接距離での雷鳴による試合中断があり、前半終了時点で主催者が天候回復が望めないとして試合を打ち切り、前半で試合成立と宣言しました。
  富士フイルム TRIAX
1stDown(Run-Pass-Foul) 5(3-1-1) 4(3-0-1)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 21-37-0 19-53-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 2-1-0-14-0 6-1-0-0-0
Total(ATT-Yard) 23-51 25-53
反則(Att-Yard) 2-10 4-25
Punt(Att-Yard) 2-52 3-112
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 2-0-15 0-0-0
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 0-0-0-0 2-0-47-0
Fumble(Att-Lost) 0-0 0-0
攻撃時間 12分8秒 11分52秒

いやね。富士フイルムが先制した時にまるで祝砲かの如く「とどんッ」で鳴ったの。そこから暫くゴロゴロ言ったので、キックオフの構えに入っていた所で最初の中断。
その後10分間のウォームアップを挟んで試合再開したものの、1Q終了時にまたしても「とんどこどんッ」って来て中断。
再開後暫くは雨の方が凄かったけれど、残り3分からスラッシュメタルの2バスが遠く近くでどんどこどんってやってる感じになって、もう「お願いだから前半は終わらせて」と祈ってました。
前半終了して数分のまでは両チームとも後半に向けての準備をしていたのですが、突然TRIAXのヘッドコーチが富士フイルムのベンチにやってきてコーチと笑顔で握手した所から、TRYAXの選手が荷物を持って引き上げてきて、主審が試合打ち切りを宣告した、という流れでした。
感じとしては富士フイルムは後半をやる気でしたが、TRIAXは早々に打ち切りを受け入れてましたので、2回目の中断の時に申し合わせがあって、3度目の中断があったら打ち切り、前半で試合成立という事になっていたと思います。

それにしても、雨天はともかく雷鳴はなんとかならんかと天の神様にお願いする気持ちがあったんだけど、それ以上にこの両チームがベストコンディションで試合をしたら面白かっただろうなあと言う気持ちが溢れてました。

2022年9月11日富士通スタジアム川崎第二試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 オール三菱ライオンズ ML 14 
 アサヒビール・シルバースター SS 10  24 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 SS 3:47  #6川村30yARD rUN   #2梅垣kICK
1 ML 6:59  #5ギブス11Yard Run   #8木村Kick
1 SS 10:15  #2梅垣27Yard FG    
2 SS 2:50  #11ロックレイ→#16福田27Yard Pass   #24梅垣Kick
2 ML 11:58  #8木村47Yard FG×    
4 ML 4:57  #5ギプス69Yard Run   #8木村Kick
4 SS 9:12  #6川村56Yard Run   #2梅垣Kick
  オール三菱 アサヒビール
1stDown(Run-Pass-Foul) 19(8-8-3) 17(7-8-2)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 37-155-2 31-150-2
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 35-24-1-170-0 23-12-0-186-1
Total(ATT-Yard) 72-325 54-336
反則(Att-Yard) 5-40 6-55
Punt(Att-Yard) 7-184 4-153
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 3-1-0-7 3-0-17
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 2-0-21-0 3-0-76-0
Fumble(Att-Lost) 2-0 3-2
攻撃時間 23分50秒 24分10秒

この試合、補強状況から言ってヤール三菱のアンダードッグ感が拭えないのだが、4Qの川村の独走が無かったらシルバースターは負けていたと思うくらいの試合展開だった。

いや正しくはない。正確には「ラッキーパンチが狙って出せたシルバースター」対「昔(谷口全盛期)のような試合運びでラッキーパンチが決まったオール三菱」だな。
基本、シルバースターのラッキーパンチは#6川村のビックゲインで、最後の56Yardに限らずキックオフリターンも特大級が出ていいアクセントになった事で、勝負を有利に進めることが出来たのは事実疑いようのない事だ。
だがしかし、シルバースターのラン攻撃は川村のビックゲイン以外は効果的ではない。オール三菱がしっかり対応した時点で思った程ゲイン出来ない状態が続く。
さらに問題はロックレイ。確かに3本くらい「そこを通すのか」というパスはあるのだが、実態としては相変わらず「レシーバーに半身近く付かれた守備が居ると、その後のタイミングやキャッチセンスがあろうが、基本投げない」ので殆ど怖さがないのである。
唯一以前と違うのは「高さを使ったパス」、つまりジャンプしてDBが届かない所に投げるプレーが出てきた(ライズ時代は八木がそういう背丈だが、彼はスピード派で、サイトでジャンプして競るプレーは少ない。ガルズではハフだが、TEなのでクイックヒットしかない)のと、プレーデザインとして「DBと競りにくい状況を作る」ケースが多かったので試合を壊さなかっただけ。
見ていて得点の臭いがしないのである。

じゃあと言って後半、去年途中までエースとして出ていた#19田中が後半から出てきたが、これがどうも、入れてるプレーの筋書きとかそういうものが田中にフィットしていないというか田中のパスをなり信頼していなくてラン過多にしたというか、そういうドライブデザインで、これではロックレイよりパスを安心して見ていられるものの、どうも据わりが悪い。

それに対してオール三菱は、以前から「ライン戦でRBの為の大穴が開く」訳ではないという頃に結構戻っていて、その中でギブスと呼吸の合うレシーバーが#89長岡と#19吉田という2枚居るというのは、実に良い事であると言える。
一枚しかいないとベタ付きされたら投げられないからね。特に長岡はTEポジションから縦に出るクイックのパターンでDBを背負って勝負出来る(その代わり狙われやすい)ので、これでロングボール対応出来るレシーバーが出てくればもっと面白くなる。
守備も、決して劣ること無くシルバースターを追い込めて行ったので、これから先がとても楽しみなチーム西上がったと思う。
ただし怪我人やシーズンスタミナの面で疑問は残るが。

2022年9月11日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 IBM BigBlue  IB 10   10  35 
 胎内ディアーズ  TD  7   0  10 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 TD 5:25  #14青木33YardFG    
1 IB 10:36  #26プレスリー1Yard Run   #9馬島→#40スタントンPass
2 TD 3:24  #14青木46Yard FG×    
2 TD 6:36  #9加藤→#3井上17Yard Pass   #14青木Kick
2 IB 7:38  #2政本→#14遠藤4Yard Pass   #11丸山Kick
2 IB 12:00  #11丸山32Yard FG    
3 IB 3:21  #2政本→#4鈴木8Yard Pass   #11丸山Kick
3 IB 9:14  #11丸山46YardFG×   
3 IB 11:53  #11丸山42Yard FG    
4 IB 8:47  #9馬島→#88三浦20Yard Pass   #11丸山Kick
  IBM ディアーズ
1stDown(Run-Pass-Foul) 17(7-10-0) 16(6-10-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 25-74-1 25-56-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 36-24-1-258-3 34-19-2-206-1
Total(ATT-Yard) 61-332 59-262
反則(Att-Yard) 4-35 2-10
Punt(Att-Yard) 2-52 3-129
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 3-0-22 0-0-0
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 3-0-109-0 5-0-90-0
Fumble(Att-Lost) 0-0 0-0
攻撃時間 24分20秒 23分40秒

もうちょっと点差が開く(49-17くらい)と思っていただけに、「ほお……」という気分になった試合。
これ理由はディアーズ攻守のラインがふんばった為なんだよね。
基本ディアーズの攻撃ラインはここ5年ほど弱体化が進んでいたんだけれど、3メン4メンのブルラッシュは上手にピックアップ出来ていて(とは言えサック3回にロスタックル6回31Yardだが)基本体系がOL5枚+SB1枚(SB=TEの場合もある)でよくレシーバーを広げる傾向にある中で、相手がオーバーロードブリッツいれたりしない限り3Qまではしっかり進めていたのだ。
そして守備。ラインが決して押し負けていたようには見えないし(要所でずらされたが、硬派金アジャストしてきた)、パスカバーの弱いところを狙われた故の失点だったと思う。

却ってIBMは「ディアーズに粘られ」「ディアーズにリズム出され」最後になんとか追加点取って突き放したけれど、今ひとつ不安が残った試合ですなあ。

2022年9月10日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
富士通フロンティアーズ FF 21 21 7 0 49
東京ガス・クリエイターズ TC 0 0 0 0 0
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 FF 2:13  #2ニクソン30Yard Run   #5納所Kick
1 FF 4:20  #2ニクソン2Yard Run   #5納所Kick
1 FF 7:53  #18高木7Yard Run   #5納所Kick
2 FF 1:56  #18高木→#89福井6Yard Pass   #5納所Kick
2 FF 7:16  #18高木→#4サマジー38Yard Pass   #5納所Kick
2 FF 12:00  #18高木→#4サマジー1Yard Pass   #5納所Kick
3 FF 2:48  #15野沢→#83柴田6Yard Pass   #25大塚Kick
4 FF 4:19  #25大塚27Yard FG×    
4 FF 9:37  #25大塚37Yard FG× 
  富士通 東京ガス
1stDown(Run-Pass-Foul) 25(11-12-2) 9(1-7-1)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 27-214-3 23-24-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 36-29-0-254-4 29-13-3-113-0
Total(ATT-Yard) 63-468 52-137
反則(Att-Yard) 5-40 5-36
Punt(Att-Yard) 1-38 8-260
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 4-1-1 0-0-0
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 1-0-36-0 3-0-25-0
Fumble(Att-Lost) 1-1 0-0
攻撃時間 26分7秒 21分53秒

得点差とかで「だからがーがー」という人が増えそうな試合でしたが、その要因が何処にあるのか、と言う事と「QB外国人連れてくればいいのか論」の問題を整理しないといかんのである。
元々東京ガス自体、長いことOLとDLが決して強いチームでは無かった。それをセンスはあるが肩の弱いオプションQBと肩は強いが走力が一枚欠けるパサーQBのタンデム、そして「人に強いエースRB」で何とかブロック内2勝というチームだった訳である。
それが何故Superに存在できるかと言うと、単にアンドレ・ホワイト無双でBattle9で圧倒してプレーオフに出られたから、なのである。
ところが、その後がチームの補強ポイントを「パス強化」にしたはいいが、足下のラインの整備がおいついていない……というのが現状の攻撃。
守備も当たり外れあるが、基本ラインが弱いのでLBがサポートに入る為、第一線を抜かれると後ろがピックアップされてフリーランニングを許してしまうという状況である(守備タックル数でDBが多いのはそのせい)。
また富士通攻撃陣の体幹の強さにLBが負けているというのもある。サマジーとか松井には完全に引っぺがされたもんね、タックル。

ところが、試合会場にいると不思議と「シーズン後半はもしかするかも」と思わせるところがいくつかあるんだよね。
まず攻撃。QBの順列として#7リース>#18若林>#16中井となっていたが、まずリースはもっと自由に走らせていいのではないか。押し込まれるパスプロの中に残っているより左右に動いたりスクランブルした時に、チームのアクセントとしてかなり良い攻撃に繋がっていた。
次が中井。後半の相手が選手を落として来た時の出番として、そこそこなプレーをしていた。序列が上がるかもしれない。
そしてこれはレシーバー団としても#19ノアはかなり仕上がっていたし、彼がマークされたときに#1加藤がいい仕事をしそうな気配を漂わせていた。

何より後半メンツを落としてるしFG2回失敗しているとはいえ富士通を7点に押しとどめる事が出来たのである。4位争いに絡んできそうな、そんな予感がするのである。

で、富士通だ。後半の出来がどうもしっくりこない。1本目・2本目はいいとして、それ以下になるとどうもねえ。こうなると1節まるまる外国人なしでチームを組み立てるくらいしないと控えの成長がないと思うぞ。

 

2022年9月4日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 警視庁イーグルス LE 14  21 
 品川CCブルザイズ SB
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
2 SB 7:41  #27砂田9Yard Run   #96住谷Kick
3 KE 7:39  #50山口36Yard FG×(Block)    
3 KE 10:29  #42平澤 Fum.Rec(エンドゾーン内でファンブルリカバー)   #50山口Kick
4 KE 3:47  #50山口40Yard FG×(チップ)    
4 KE 8:47  #19齋藤→#11宇佐見7Yard Pass   #50山口Kick
4 KE 10:07  #81中嶋45Yard Run   #50山口Kick
  警視庁 ブルザイズ
1stDown(Run-Pass-Foul) 11(6-5-0) 9(2-7-0)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 29-133-1 20-33-1
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 19-12-0-127-1 30-16-2-123-0
Total(ATT-Yard) 48-260 50-156
反則(Att-Yard) 3-10 4-30
Punt(Att-Yard) 4-132 3-116
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 1-0-0 3-1-0-8
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 2-0-35-0 3-0-40-0
Fumble(Att-Lost) 0-0 2-1
攻撃時間 25分57秒 22分3秒

前半と後半でこうも変わってしまうというのも「あるあるだけど見るのは珍しい」というか何というか……

まず前提として、両チームともDL、特に両攻撃ラインのTに対してDE/LBの力量差が如実であったという事。ここの対処をどうするかが試合の流れが変わった感がある。
まず最初に事態が動いたのは2Qのブルザイズから。
この日QBはエースの#3南竹ではなく(スタイルせず)新人の#19高橋。1Qはラン主体ながらパスがどこかおっかなびっくりな所があり、なおかつ両タックルから漏れる守備に混乱した所も見えたが、まずスクリーンを足がかりにリズムを掴むと、左右に動いてテンポを出す。
結果としてブルザイズは得点に成功した。
ところが3Qもそのリズムが維持出来ていた所に反則でダウン更新が出来なくなったあたりでケチがついた。

警視庁は後半からパス(とは言っても短めのアウトやバブルスクリーン)主体でリズムを作り出す。が、やはりスピードラッシュに来られると駄目で、最後にはFG失敗になる(※このへんは後で触れる)。
だがブルザイズも調子を落としてしまう。というか恐らく攻撃側のスタミナ切れが出始めたと言うべきか(後半、反則に巻き込まれたもの以外で負傷退場は全てブルザイズ。これにより特にラインの選手の迫力が消えた)。結果としてランが楔として機能せず、パント。
ところがこのパントが低く、エンドゾーン内で手に付かなかった。確かに警視庁のプレッシャーがきついのもあるが、慌ててしまったパンターがもたついている間に警視庁の選手が追いついて、パンターと絡み合うようにしてボールを奪い取ってしまう。
※一応、ダウンしたパンターがキープするとセイフティ扱いなので2点献上してブルザイズのキックで試合再会になるのでかなり不利ではあるから、同点止まりというのは正しい選択ではある。

前回のドライブでリズムが出てきた警視庁は、パスでストレッチした守備に対して楔のランが刺さった事で攻撃は進む(が、FG失敗)。
で、次のドライブで試合の潮目が完全に変わってしまった。
一つにはこのドライブ序盤でQB#19高橋が退いて#9福井に変わった事。福井は比較的小柄なのでポケットにとどまってのパスが不利になる傾向があったものの、彼自体は小気味の良いパスを投じていた。
が、ここでコーチ側が絶対の選択ミスをする。というのも残り5分弱で敵陣47Yardあたりで、4thパント体系になった。例えミスパントでタッチバックになっても同点であり、守備が頑張ればサヨナラ勝ちできる状況だったのに、何を血迷ったのかパンターにギャンブルで走らせてしまったのである。ずっとエッジが突っ込んできているのに、それやって成功すると思う? 結果ギャンブル失敗。

この直後に警視庁#19齋藤が#15恒吉に見事なロングパス(ロングは初試投な筈)を決め、敵陣6Yardまで迫り、ちょっと難産したもののパスで追加点を奪う。
こうなると次の攻撃でギャンブルせざるを得ないから、そこで止められてさらに追加点(リバースで一気に持って行かれた)を奪われてジ・エンドだった。

試合を見ている範囲で言うと
・序盤:両チームとも攻撃がまだまだフットボールしてない
・1Q後半~3Q前半:ブルザイズの#19高橋が試合に馴染んできてリズムに乗った。
・3Q~:警視庁守備が相手の攻撃に対処してきた
・3Q中盤~:ブルザイズのスタミナを奪いつつ警視庁の#19齋藤の肩が仕上がってきた
・4Q中盤~:ブルザイズ首脳陣が焦って判断ミスして試合が壊れた
という所か。
エース南竹不在という事が響いたかも知れないが、それにしても高橋も福井もX1Ariaレベルでは充分活躍できるレベルで、あとはコーチがどれだけ助けてあげられるかという所だろう。

警視庁はいつもの「立ち上がりの遅さ」に加え、キッカーにも問題が……
多分飛距離はあるんだと思うんだけど、角度が低い。だから相手に引っかかってしまうのだ。
そこはしっかり修正しないと、今後上位と戦う場合には辛いものがあるとおもう。

2022年9月3日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 電通キャタピラーズ  DC  7   3  24 
 富士フイルムミネルヴァAFC  FM  21 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 DC 2:28  #18エリス→#80河波27Yard Pass   #6廣田Kick
1 FM 7:23  #12鈴木→#22桑原129Yard Pass   #3安達Kick
2 DC 11:39  #18エリス→#80河波1Yard Pass   #6廣田Kick
3 FM 2:32  #12鈴木→#7別府19Yard Pass   #3安達Kick
3 DC 6:09  #30遠藤3Yard Run   #6廣田Kick
4 FM 10:46  #12鈴木→#22桑原6Yard Pass   #3安達Kick
4 DC 12:00  #6廣田31Yard FG    
  電通 富士フイルム
1stDown(Run-Pass-Foul) 16(6-9-1) 20(7-12-1)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 23-151-1 25-104-0
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 27-15-1-180-2 35-23-0-251-3
Total(ATT-Yard) 50-331 60-355
反則(Att-Yard) 3-25 4-23
Punt(Att-Yard) 4-156 4-148
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 2-0-3 3-1-0
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 4-0-72-0 3-0-53-0
Fumble(Att-Lost) 0-0 0-0
攻撃時間 20分1秒 27分59秒

スタッツ的には富士フイルムが優勢なのだが、見ている方としては逆に感じてしまう。それは「守備としてダメージが残るビックゲインの数の差」だと思う。
まず、富士フイルム側は前半に「ちょっとした事で」ランで大きなゲインを連発されてしまう。
これは上がりが早いLB陣がOL/WRにピックアップされると、その後ろがパスカバーに割かれていてタックラーがいなくなってしまった事に起因する。これはサイドスクリーン/バブルスクリーンの時にも同様の結果となり、前半三回のTDドライブにおける敵エンドゾーン前(一回はインターセプト)侵入は全てこの展開であった。
今度は後半。新QBアーロン・エリス(※Xの場合、外国籍は名-姓と姓-名の両方の記載を認めている関係で、どっちが姓か確定できない)がチームに噛み合いだしてから中央DB前へSBを走り込ませることでロングゲインが出る(これが3Qの得点ドライブに寄与している)ようになり、最終的にはこれが痛手となって試合のペースを富士フイルムが握ることが出来なかった事になる。

では富士フイルムはどうやってここまで試合を自分サイドにたぐり寄せたのか。
そもそも試合序盤では「フィジカルでは電通の方が上」という認識であった。実際ちょっとでも甘いタックルでは止まらなかったし。
でもそこを「驚異的なスタミナ的な粘りと練り上げたゲームプランと即応力」で「チームとして相手を押し込む」事に成功したのである。
惜しむらくは前半に#2堀の外へのランを封じ込められてしまった事(多分#29山田と同じプレーを入れて、両者遜色ない走りを展開させたかったのだろうが、たまたま堀の際にOLが押し込まれて走路をふさがれてしまった。それ以降堀の魅力である直線的にギャップに突っ込むランも止められがちになった)、及び元来のエースRB#21廣澤と大ベテランのパワーバック#33井岡が不在であった事で、ちょっとだけ前半の手札が弱くなってしまった事だろうか。
それ故に後半パスターゲットとして#7別府#11小山#85森へのパスが決まっていた訳だが。

これだけ拮抗した試合を見れたのは僥倖であった。ただ、やっぱり観客が500人切っているというのはどうもね……