第44回スーパーボウル雑感

本当は当日休む予定だったのだけれど、仕事の都合で出勤せざるを得なくて録画鑑賞。
個人的には豊原アナと河口氏の組み合わせで、実に良かったと。民放では絶対に出せないな、この間は。

いつにも増して微妙感漂う終了。
河口氏が言っているように、「畳みかけるのではなくじっくり攻めて、ムリに点を取らない」というスタンスが結果としてコルツ敗北の要因であった事は間違いないし、フリーニーが機能しなくなった事でセインツが攻撃しやすくなった事も事実なんだろうけれど、それだけなのかなあ、という感じがする。

その点では「セインツが序盤緊張で動きが固かった」だけだったのではないかと。それを相手の実力として相手にあわせてしまった為に後半に対処できなくなったのではないかと。

まあ、それはそれとして、今年は実に「微妙な均衡に保たれた実力が、ある一点で大きく揺らいでしまう」という、実力伯仲の戦いを見せてもらった気がする。
ちなみに「ある一点」とは「後半最初のオンサイド」。あれは奇襲として大成功。

うーん、でもなんだか、あれ以外ではコルツ守備が自滅したというか(フリーニー不在の時のゲーム戦略が破綻していた気がするのですが)。

サッカー東アジア選手権男子に思うこと

もう呆れて笑うしかない。

監督どうこうじゃない。日本協会の専務理事以上は全員永久追放。
組織として人が育てられない。

誤解無きように言っておきますが、このていたらくの根本は、岡田監督がどうこうというレベルではないです。
スポナビブログで見ていて呆れるアンチ岡田派の安直な更迭論にもげんなり(いや、ヘドが出ると言いたい)なので。
戦術論として岡田サッカーがどうか、という所の話題ではない。それ以前の所の話なのである。

基本、今年の国内2試合+海外2試合のちぐはぐさは、対戦相手の問題に起因しているというのが1つ。そしてもう一つはアジアカップの運営変更に効果的に関与できなかった日本協会の無力っぷりが及ぼしたものであるというのが1つ。そしてブラジル幻想が一つ。最後に、強化ポイントを間違えているのが1つ。
正直、誰が監督しようと大差ないというのが結論。

まず、根本としてアジアカップの予選に出ている事実。これはオシム信者が敢えて避けて通っているが、シードを取れない時点でオシムの罪。その為に無駄な試合をたくさんしている。
これは各大陸が「ワールドカップの間に大きな国際大会を」という事でワールドカップの2年後に試合を設定していたにもかかわらず、アジアではオリンピックと重なるという理由から「ワールドカップの翌年」に変更された(北京オリンピックに配慮したというのが正しいのだろう)。この結果、チーム作り初めて1年ないうちに重要な試合をさせられるオシム・ジャパンはチームの核がないままシードを取れなかった。

そしてオシムに代表監督をさせるのは間違っていたという事。実際に必要だったのは、U-21監督か、あるいは強化部長であったという事である。
※逆に言うと日本において、オシムは代表監督には不向きである。っつうか「新しい日本のサッカーを構築する」のは強化部長とかアンダー年代の代表監督の仕事。

ついでに日本のサッカーが躍進するのは常にヨーロッパの指導者がいつた時。ブラジルの指導者がついた場合には伸びない。
メキシコ五輪の時は西独のクラマー氏が中核だった。ところがその後読売クラブなどかブラジル式サッカーを広めてしまった。中途半端にブラジル人を集めてサッカーしてコンセプトがないまま強化していたから最後の一線を越えられなかった。
そこで代表監督にハンス・オフトを入れた。その結果、ドーハの悲劇に至ったが、少なくとも4年前の日韓戦の敗北よりは遙かに上のステップに上った。
続いてファルカンが来たが、実はここでステップアップに失敗している。
次は加茂-岡田だが、ゾーンプレスはヨーロッパ型。ちなみにこの当時海外指導者としてヨーロッパの監督が来日していたことも影響していると思うが(ただ、聞くところによれば「古くさい」戦術らしいが)。
そこで次がトルシエ。彼は一つ下の世代にも自分の戦術を浸透させる事で、底上げに成功した。※とはいえ、コーチを育てる点で成功したとは言い難い。
その次のジーコは明らかにスペックダウンさせている。
さて、この流れを見て考えた場合「南米は、厳しい生存競争の中で叩き上げられた基礎があるから、監督が決め事を少しだけ定めれば動いてしまう」という特質があると思う。逆にヨーロッパでは教育の一環として取り上げられて来たこともあり「定められたルールの中で、いかに結果を出すか」というスタンスで取り組んでいる。
勤勉な日本人、いや愚直で言われたことに固執してやりとげる日本人としては、ヨーロッパ型のシステムで規律重視の方式の方が好ましいのである。

ところが残念なことに、現在のサッカーは無駄にブラジル幻想に寄りかかっている。小学生から生存競争(クラブから切られてしまえばストリートチルドレン、くらいの厳しさ)にさらされている所ならともかく、アメリカ型スポーツ教育の中でもまれた日本は、ヨーロッパ型でなければ伸びない。

実際、そういうコーチ理論を海外に学びに行くコーチが異様に少ない(ジュニア世代の指導者が、もっと多く海外に学びに行く必要があるという事)。従って中手半端「形から指導する」事になる。その結果、パターンに固執する。得点ではなく安全に点を取ることに固執する。従ってうまくいくはずがない。

結果として言えば、ジーコを選んだ時点でこの結果は見えていた。多分、オシムが監督をしてもこの結果は変わっていない。(ちなみに、ジーコ最大の失策は、W杯の直前にピークを持っていた所。しかも気候の変化を織り込め成った為にバテてしまった事である)

まあ日本のサッカーを駄目にしたのはマスコミと評論家なので、特にテレビ朝日はサッカー界永久追放である。
※ついでに松木安太郎も。彼が評論家でもっとも質が低い。
今回がフジでまだ良かった。※清水秀彦は凄くまともに「シュートしない」事を指摘していた。セルジオも言ったと思うが、少なくとも松木は言わないだろう。

正直に言うが、岡田さんが今辞めても意味はない。「南アフリカはともかく、その次につながる布石を打つから、南アフリカ開催の成績は問わない」という条件でのみ、巨額のリベートを払って強化権限すべて渡して引退直前の監督を連れてくるしかない。その監督の最後の花道として(日本が伸びても監督の経歴にハクがつかない。トルシエもジーコもそうでしょ)。

まあ、あんだけフォローが遅くて相手の厚い守備にひっかかっちゃっていたなら、シュートも糞もないのは認める。というよりも、サイドで囲まれた時の対応が悪すぎ。それだけの話でしょ、すべては。
そういう散らしが出来たり、当てが出来たりする選手でスタミナがあるのがいないというのが事実なんだから。
そういう試合でしょ、これは。
だから、これで監督がどうこうより選手が自覚しないと話にならない。頭で判っても体がついていかない、という状態において監督は無力ですもの。