ライスボウルに関する様々な意見に関して(5・終)

最後に総括するけど。

肝心なことは「現状を変革する」ときの方向性であって。

後ろ向きな懐旧的方向に行くと、それは縮小であると同時に自壊する破滅の第一歩である。

建設的な、前向きな意見であればそれは討議に値する。

果たして現在、日大関学京大ロートルOBが声高に叫んでいることは、どちらなのだろうか。

そしてそれが外周部(アメフトに軽く興味を持った程度の人や、あまり関心が無い人)にどう取られているか判っているのだろうか。

特に関学京大の二強時代のファン、日大関学の甲子園時代のファンがスタンドやネットでふんぞり返っている事が現代っ子に嫌われていて、それが観客減に通じているという意見も聞き及んでいるのに、そこはガチ無視というのはいささか情けない話である。

ぶっちゃけ、今回ライスボウルに観客が集まったのは、恐らく「前年より招待券が撒かれた」可能性の方が高い(どっちの、という訳ではないが)。また、例年関学の方が客の入りが良い。そういった多少裏側の諸条件のを勘案しても、学生サイドのファンの抗弁は実に見苦しかった。

そんなに嫌なら、日本協会から出て行っていいんだよ。野良フットボールでいいんだよ。

それが社会人側の一ファンとして、傲慢で高慢な関西学生第一主義者に対する野次である。学生側のスタンドから響き渡る下劣な野次と同等の言葉であるからして、この言葉に対する感情論の反論は受け付けない。

少なくとも、個人的には彼らロートルOBや古参ファンと呼ばれる人の傲慢不遜な言い分の方が、フットボール普及に対する妨害行為にしか思えないのである。

……少し言い過ぎだったかも知れないけど、ここ数年の鬱積した怒りみたいなものを、一度吐き出させて貰う意味で、上記の言葉は取り下げない。

ようするに、時代は変わったし常に変わるのだよ。いつまでも蛮カラ気取って裃着て六根清浄唱えて水垢離してから観戦するなんて時代ではないのだ。

※一応断っておきますが、一〇年くらい前までは学生も社会人も見てましたが、学生のスタンドで審判や運営を罵倒したりする確率がとてつもなく多く、とにかく悲惨な上に吐いた圧力まで掛けられたので、学生ロートルファンが言う「社会人の応援の同調圧力がひどくて嫌だ、学生の方がいい」とか言う寝言は絶対に信じてませんし、そういう「自分に都合の悪いことはほっかむりしてスルーする」人たちの言動に呼応する気は全くありません。故にこういう論調になる訳です。ご理解くださいとは言いませんが、一度冷めた目線で自分たちの周りを見てみません?

ライスボウルに関する様々な意見に関して(4)

あくまでライスボウルは「国を代表する統括団体の主催するその国最高位を決定する試合」であるべきで、ここへの道を閉ざしてしまう事はすなわち自動的に「(冠なしの)日本一」は名乗れないことになる。
すなわち「社会人日本一」と「学生日本一」が並列したとき、国外に「ナショナルチャンピオンはどのチームだい?」と言われた時に誰も答えられない事になる。ちなみにアメリカやカナダの場合統括団体がある訳ではなかったので、現状カレッジチャンプがナショナルチャンプである。
こと欧州を相手にする場合、アメリカを起源としたカレッジスポーツの思想は馴染まない(欧州では大学は本当に専門機関なので、スポーツに関してのカテゴリには存在していないと取るべき)ので、この「ナショナルチャンプ」を決める試合を自ら手放した結果、大学チャンプは未来永劫「ナショナルチャンプ」にはなってはならない、という事になる。
だいたいユニバーシアードが注目されるのは北米大陸と東アジアであって、他の所では高卒クラブが圧倒的に多い。逆に言うと大学というカテゴリは国際大会にもそれほどありがたがられるカテゴリではない(年齢的にも欧州修学年齢のカテゴリーであるU16、U19がメイン。サッカーだけがU22で分けているけどそれは五輪がらみだ)。

その中で、もう一度ライスボウルの意義を見直したときに、ただ単にどう見ても「指揮官の戦略上の失策に基づいた敗北」であることから目を背けて「役目が終わった」ことにして良いのだろうか?

なんとなく恣意的な、かつ懐古主義的な意見で、あまり好きには慣れないと言うよりはっきり言って嫌いだ。個人的にこの試合で役割を終えたのは鳥内監督を頂点にした体制の方で(方法論は確立したが、そこから発展するための次のプロセスに進めていない、という意味)はないだろうか。

そういう「学生が常に勝てる条件(あくまで80年代のように「社会人が勝つのがラッキー」という状態)」をライスボウルに求めているのなら、確かに「ライスボウルは一定の役割を終えた」事になるが、それはあまりに酷い理論である。っていうよりそんな指導者の元でアメリカに勝つ選手が生まれるとは到底思えない。そこが着地点でないなら、海外交流なんてしてはいけない。

もう一度言うが、ライスボウルは「国を代表する統括団体の主催するその国最高位を決定する試合」であるべき。それが維持出来ないほどに学生側と社会人側が乖離しているようには思えない。

その上で敢えて言うが、そんなに社会人と試合したくなくて、自分たちが満足がいく試合をしたいというなら、以下の方法を提案したい。
底意地が悪く、かつ実現不可能な事ではあるが、それくらいの事はしてもらわないと、その本気度は絶対に伝わらないし、でなければ単なる負け犬の遠吠えに過ぎない。

(長くなるので畳みますが、それ以外の意味は全くありません。ま、相当出来もしない事吹いてますが、「何言ってるんだバーカ」程度で流して欲しいですわ)

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パールボウル日程の発表がありました

まずブロック分けから。

ブロック チーム 地区・位
富士通フロンティアーズ E1
ノジマ相模原ライズ C3
警視庁イーグルス E5
IBM Big Blue C2
東京ガスクリエイターズ E4
Bullsフットボールクラブ C6
LIXILディアーズ E2
オール三菱ライオンズ C4
富士ゼロックスミネルヴァAFC E6
オービック・シーガルズ C1
アサヒビール・シルバースター E3
明治安田ペンタオーシャンパイレーツ C5

表記上長い富士ゼロックスミネルヴァAFCは当面「富士ゼロックス東」と省略させて戴きます

会場 開始時間 対戦カード
4/22(土)  川 崎  14:00  IBM × Bulls
17:00  LIXIL × 富士ゼロックス東
4/23(日)  川 崎 14:00  富士通 × 警視庁
17:00  オービック × 明治安田 
5/ 4(木・祝)  川 崎 14:00  ノジマ相模原 × 警視庁 
17:00  オール三菱 × 富士ゼロックス東 
5/ 7(日)  川 崎 11:00  東京ガス × Bulls
14:00  アサヒビール × 明治安田
5/20(土)  川 崎 11:00  IBM × 東京ガス
14:00  LIXIL × オール三菱

5/21(日)

 川 崎 11:00  オービック × アサヒビール
14::00  富士通 × ノジマ相模原
6/ 3(土)  川 崎 14:00  A2位 × B2位(交)
6/ 4(日)  川 崎 11:00  A1位 × B1位
14:00  C1位 × D1位
6/10(土)  川 崎 14:00  C2位 × D2位(交)
6/17(土)  川 崎 11:00  A3位 × B3位(交)
14:00  C3位 × D3位(交)
6/19(月)  東京D 19:00  パールボウル

交流戦(試合の欄に(交)とあるもの)意外で、秋に対戦があるのはオービック×アサヒビールのみ。 
願わくば、過去まことしやかにファンやスタッフの間で囁かれ続けてきた意地悪い「パールボウル罰ゲーム」説を払拭して戴くような活躍をお願いしたいものです。
※パールボウル罰ゲーム説:誰が言い出したか不明ですが、実業団トーナメントから東日本トーナメントに変わって以降、パールボウル出場チームは社会人王者になれないどころか、パールボウルでシリアスな怪我をする選手が出て本領発揮できない、というジンクスがありました。その結果、「パールは準決勝で負けるに限る」とか「パールは罰ゲームみたいなもんだ」とか言われた事があるのです。

ライスボウルに関する様々な意見に関して(3)

そもそも、全日本選手権をどう定義するか。
多くの競技団体が「同一競技団体におけるオープントーナメント」としている(アマとプロが部競技団体の場合、アマ側に全日本が帰属していて、プロに参加資格がない。バスケのbjやプロ野球に全日本参加資格がないのがその典型-ってか今そういう団体は結果的に野球だけだ-)。
その為、各リーグ戦を管理する競技団体ではなく、日本協会の主管となる事が大半である。

その点、ラグビーやアメフトのように「リーグ戦と別にオープントーナメントをやるのが体力的に難しい」競技の場合、特定のリーグ戦の上位チームで日本選手権を行う、というのは理解できる構図である。ここまでは同意頂けるのではないかと思う。

では、このオープントーナメント形式のを変更するとしたら、どのような場合か?

1つには参加チームの意欲の問題。つまり「てっぺん取ってやる」という意欲に満ちあふれた戦いが出来るか否か、である。
これについて、「惰性で開催されるより身のある試合を」という事で各論反対があろうと総論賛成に通じれば改廃しても良いとは思う。

もう1つ、「スケジュール調整が上手く出来なくなった時」。互いの思惑で試合数の増加を試みようにもにっちもさっちも行かない場合。ラグビーが実際に「日本代表強化の為」の名目で、シーズン延長を試みた際に学生側が拒否(理由は、1/15を超えると学生が試験期間に入るため、それ以降には出来ないと説明)し、一度学生を外した。2017年シーズンかは「サンウルブズ」活動の準備期間のためにシーズン短縮となった場合に、現在揉めているが、学生をはずそうとしている。
このような場合に、発展的解消という手立てもある。

そしてさらに大事なのが「参加チームの力量的バランスと、普及に関する経験値の問題」で、廉売している側が「もう辞めたい」といっても、連勝している側が「もう辞めたい」と思わない限りは継続しなくてはいけないと思うのである。これは逆も真なり。強い側が「もう辞めたい」と言っても弱い側が「まだまだ」と言う限り続けなくてはならない。辞めるのであれば大義名分が必要となる。

このような観点から見て、果たしてライスボウルは「役目を終えた」だろうか?

答えは「No」だと思っている。

ぶっちゃけ、もうあと5年も現状が続いたら、多分「社会人のトップ12」と「それ以外」の格差は絶望的なまでに広がっていくと思う。しかし、このままが続くとは思えないのね。

そうした時に「やっぱりやろう」なんて事になったら、「何を今更」って事になりかねないよね。それはとてもくだらないことだと思うのさ。

そういう観点で見て「今が役目を終えたとき」ではなく「もしかしたらあそこが分水嶺だったかもしれない」というポイントな訳だ。

ライスボウルに関する様々な意見に関して(2)

まず、ライスボウルの設立経緯と発展について整理したい。

一般的には、日本のアメリカンフットボール誕生50年記念行事として、それまで統一団体のなかった日本のアメリカンフットボールの統括団体であるべき日本協会を設立し、不統一だった普及活動を「頂点である全日本選手権」に集約する事で他競技同様の発展を目指す為に設定された試合、であるとされる。
ところが、まあ一部の裏話で聞こえ漏れたところによれば、当時すでらラグビーの方で社学逆転かなされており(新日鉄釜石の7連覇の後、神戸製鋼の7連覇が続く)、やがてそうなることを懸念した関西学生連盟が反対したが、関東におけるビックゲーム誘致を目論んだ関東学連と実業団、地域連盟の後押しによって押し切られた、という話が出ている。

これ、言っちゃ悪いけど、「うちらが勝負出来ない事はしません」って事、だよね? 

ちなみに社会人は出場機会のなかった東西社会人リーグとの統合が段階的になされて、現行のスタイルになっていった訳だけどね。※今と同じになったのは89年シーズン。クラブチームの出場決定戦神戸ボウルがあったのは88年シーズンで、この年まで実業団リーグと東西リーグの並列開催。89年からリーグ統合。

で、社会人有利になったのは、1991年シーズンから。社会人四連勝、京大が1勝したものの社会人五連勝、このあすと学生三連勝ののち社会人四連勝、立命館が勝った後学生八連勝。
実は学生三連勝の時って、実業団廃部の連鎖の時期でさ。いわゆるITバブルがはじけた後の構造改革の時期なんだよね。この構造改革の後に「外国人登録」が始まったんだけど、だからと言って、圧倒的有利という訳でもないんだよね。この時点で、いわゆる外国人(アメリカの大学を卒業した選手)ってのは、そもそもオンワード・オークスのブレナンあたりが最初なんだけど、正直オービックのKJ以降でも、ライスにはインパルスもディアーズも外国人なしだし、逆にクラフト・スタントンを呼び入れたIBMは未だに出られていない(あの強力な攻撃コンビでさえ、だぜ!)。

だから外国人がどうこう、というのは「試合に限って言えば」実はそれほど大きなファクターではないと思う。

どちらかというと、「外国人コーチ」の方だろうね。外国人コーチが新しい戦術を持ち込み、それに勝つための方策を検討して考えて実践した社会人の研鑽の方が大きく影響していると思うけれどね。
いや、まあ今年のあのパスは凄かったけど、あのパスは全盛期の高田や菅原も投げていたから、QBが投げないと言うより投げ込めるレシーバーの存在の有無の方が大きいような感じがするんだけどね。

学生では、まあ関東が1ブロックに移行したことによって東北・北海道の勝者両方が関東トップと試合するチャンスを失ったという課題の他に、関西が「人気再燃のために」西日本王座を妙なことにした、という事もあって、結果的に微妙な空気が漂っているけどね。
そもそも関東は天然芝でもう少し試合しないと駄目でしょう。※関西は終盤に王子陸上、宝ヶ池、ヤンマー、万博と天然芝フィールドで試合を組んでいる。関東では残念ながら夢の島一カ所しか出来ない現状。終盤に駒沢陸上や江戸川陸上を使えない物か……

ちょっとなんかそれちゃったけど、未だ日本の頂点を決める場としてのオープントーナメント機能としてのライスボウルは、機能しているように思えて仕方ないのである。少なくとも、一方的に「乖離」させられちゃって「役割が終わった」事にされる程の内容ではないと思うのだけれど。

ライスボウルに関する様々な意見に関して(1)

色々な意見が出てきてますが……

関学が富士通に完敗で学生8連敗。ライスボウルの見直しは必要か?
乖離する社会人と学生リーグ 第70回ライスボウルに思う
【編集後記】Vol.167

主なメディアではこのへんくらいかな。あとは配信記事ではないハドルマガジンやAFMがどう取り上げるか興味はあるけれど。

まず、THE Pageの本郷さん。以前も似たような記事を挙げている上に、この方の他の競技の記事を見る限り「アメフトの事情に通じている訳ではない」ようである。ってか、多分大きな東京の試合だけを毎年見ているだけのような。かつ、この方は他の競技でも「外国人がいるからバランスが崩れる」的な視点(いや極論だけどさ)とか「社会人と学生は一緒の大会に出る意味が無い」的な論調がすっごく多い。

週刊TurbOverの2本は日大OBの名DB宍戸さんの言葉なんだけど、この2つの記事から見てはっきり伝わるのは「ああ、この人も学生賛歌なんだ」という事で、その善し悪しを問うつもりはないけれど、あくまで「学生って素敵。だから社会人とやって傷つくのは嫌」という意見にしか見えなくてねえ。このへんの人がこういう物言いをするって事は、ある意味感傷による閉塞感しか見えてこない訳ですよ。

その上で改革案をつらつらと出す人が多いんだけどさ

魂のない小手先の改革では、いずれ潰えると思うぞ

と強く警鐘を鳴らさないといかんと思うのよ。ぶっちゃけ今出ているラグビーと揃えるような改革って、あれが通用した流れを把握して言っているのかな。
ラグビーの強化に関しては、基本として「ワールドカップで勝つこと」が狙いな訳だ。実際現行制度(今年から縮小されているので、実際は2015~2016シーズンまでのもの)に移行するのに大学側の頑強な抵抗(試験期間があるので、競技のためのシーズン延長は出来ない。1/15-ハッピーマンデー対応以前の成人の日-の全日本を一切譲る気は無い)に日本協会が業を煮やし、学生を組み込まないスタイルに移行したという強硬手段と、社会人トップリーグ化による強化とシーズン延長で相当な揺さぶりをかけた結果なんだよね。(その中間に、朝日新聞とNHKのすったもんだがあって中継が全日本の中継が飛びかけたなんて事もあった)
ところが、昨年2015~2016シーズン終了後にスーパーラグビー参加が始まると、サンウルブズが準備不足で非難されたので、今シーズンは期間短縮、来シーズンから学生を外して全日本をやり、シーズンを短縮する事で方向が決まっている。
これは、ラグビーのプロ化という視点から大きく立ち後れた日本に於いてごくごく世界標準に近づく為の正しいアプローチな訳ですよ。
これ、平尾さんの改革の時(だから今から10~20年前の頃)に叫ばれていたのを、オールドタイマーが「アマチュアリズム」を理由に足を引っ張り続けた結果、な訳ですよ。
案外こういう「老害による思想洗脳」という出来事は封殺されてしまうので、当時は「アマチュアリズムによる世界との乖離」が盛んに言われていた時代であったにもかかわらず、高校スポーツを主催・協賛する大手三大新聞がほっかむりし続けた(産経は当時北朝鮮フィーバーだったし、日経はアマスポーツと経済が繋がらないので取り上げない)結果、全部プロセスがぶっ飛んでエディー・ジャパンだけが祭り上げられるいびつな結果になっている。どうしてみんな違和感感じないのかね。

正直、日本はアマチュアイズムに妙な滅私奉公を加算した上に感動の乗算をしかけるので、指導者の問題をぜんぶフタして犯罪になった時に「それ見たことか」的に取り上げるのが大好きな、今のネトウヨを形成する「お上が何かやった時だけドヤ顔する報道」ばっかりして来たら、本質を全部マルッと無視する結果になっているわけですよ。

って、それはちょっと本質から外れたので、今回はこれ以上言わない。

んでもって、今回の議論でくぼたさんが取るスタンスだけ明確にしときます。

・個人の趣味嗜好を正義としない
いらっしゃるんですよ、「社会人のスピーカーを使った応援と応援圧力が」ってそれが判断基準な方。それ、あなたの趣味嗜好ですから。クラウドノイズ反対派とかいますけど、そもそも「学生らしさ」って何? 相手や審判を汚らしく野次り倒すことが学生らしさ? そういう本質とかけ離れた所での議論は、意見が歪みます。

・ライスボウルの存在意義を再定義する
宍戸さんが「現行のライスボウルは役目を終えた」見たいな言い方をされてまいが、そもそも「ライスボウルの存在意義って、何」から再定義しないと駄目なんじゃないですか。それに、基本としてどんなスポーツでもオープントーナメントに類する全日本選手権は存在しますよね(野球はカテゴリ別ですが)。そういう観点をもう一度見直すべきでしょう。

・特定の地域に偏った発言はしない
宍戸さんは社会人と学生が乖離している、と言っていますが、関西学生とそれ以外で乖離しているという事を認識されているのだろうか? いや、関西学生ファンとその他の観客との乖離も。なので、特定の地域の事情に偏った事は辞めようと心がけます(が、どうしてもそうなると関西批判になってしまうので、それはご容赦ください)。

以上を自分に戒める形で、暫くつらつらと書きます。
※FBの方で「SFの歴史をおっかける」連載もタイムラインでやってますんで、間が空くもしれませんが。

ただ、一つだけ先に言わねばならないのは「自分の都合の良い勝負しかしたくない」と監督が言ったら、その監督はもう引退すべきですわ。鳥内さんと大村さんは、自分で自分の牙を折っちゃったんで、この先甲子園も辞退すべきでしょ。関西王者でも全日本への道はたどりたくない、というスタンスでなければ、その発言は指導者の傲慢に過ぎないと思いますけどね。

あけましておめでとうございます

昨年は出来なかった挨拶(苦笑)
ライスボウルが終わり身も心もすっかり新年に突入しました。

今年は職場で昇職することになったので、これから色々苦労します。でも喰っていく為にはがんばらなきゃ。

 

追記:FBのタイムラインでは呟きましたが、辞める辞める詐欺になりかかっていたFBのグループ「日本のアメフト復興会議」を退会しました。理由は「かみあわない議論をするのに精神的に疲れた」ので、「ここは戦略的撤退をした方が、こちらも、噛み合わない相手側も、それなりに精神の安寧を得られるだろう」ということからです。
誰かによる退会圧力があったとかそういう事ではなく、自発的に離脱したので、誤解なきよう。
存在していれば言いたくなる性分なので、中途半端なことはしない方がいいと思いましたので。
直前にかみついたネタを放棄したようになってしまいましたが、逃げたと取って戴いて結構です。
(我慢しとけば良かったというのが反省点ですが、噛みついた事自体が間違いだとは思っていない。まあそういうところが悪質なのかも知れません)

以降、FBではアメフトネタは一切やりません。

2017年1月3日東京ドーム第一試合第70回RiceBowl

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
関西学院大学ファイターズ KG 0 0 6 7 30
富士通フロンティアーズ FF 13 7 10 0 13
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 FF 4:10  #11西村49Yard FG    
1 FF 8:15  #11西村28Yard FG    
1 FF 12:41  #3キャメロン→#81中村30Yard Pass   #11西村Kick
2 FF 12:38  #3キャメロン→#81中村51Yard Pass   #11西村Kick
3 FF 8:57  #11西村29Yard FG    
3 KG 13:50  #40橋本3Yard Run   #6#伊豆→#22加藤Pass☓
3 FF 14:55  #3キャメロン→#89福井38Yard Pass   #11西村Kick
4 KG 14:15  #6伊豆→#88亀山4Yard Pass   #1西岡Kick

MVP ポールラッシュ杯 富士通#3コービー・キャメロン

まあ、鳥内さん以下関学のブレーンの方々が、実は「意固地に想定していたプランの範囲内で固執する」というのが見て取れた試合でしたねえ。フリーフリッカーに至ってはターゲットを色々いじったりしたのに、ほぼ通用しないという状況で執拗にやり続けたり、パント体型からのギャンブルも最初のプレーだけが大きくゲインした物の、後は読まれて封じ込められてしまったのにやる。本当はランプレーの一部が軸になれるはずなのに、それを軸にしないでトリックプレーばかり固執したというのが敗因で、富士通側に勝因があったというより、明らかな独り相撲だったというのが、会場で見ていての感想です。

公式記録は以下の通り(X League公式より なお関学の個人スタッツは関学公式を参照のこと) 

  富士通 関西学院
ファーストダウン(ラン - パス - 反則) 19 (6 - 13 - 0) 20 (12 - 8 - 0)
(パス) 試投 - 成功 - インターセプト
獲得ヤード
27 - 20 - 0
311Yds
32 - 20 - 0
196Yds
(ラン) 回数 - 獲得ヤード 31 - 116Yds 46 - 165Yds
(攻撃) 回数 - 獲得ヤード 58 - 427Yds 78 - 361Yds
(反則) 回数 - 損失ヤード 5 - 40Yds 2 - 5Yds
(ファンブル) 回数 - 喪失 1 - 1 1 - 0
(フィールドゴール) 回数 - 成功 3 - 3 0 - 0
TIME OF POSSESSION 25:46 34:14

もしね。色々な所で言われているような「最初のドライブでの49YardFGが関学の思惑を突き崩した」ってえなら、そりゃ違うでしょう。試合前の公式練習の時点でそもそも関学は40Yardにトライすらしなかったのに対して、西村は47Yardトライしてたわけで。さらにIBM戦で47Yard決めている訳で。
まず根本的にそこで読み違えている。だいたい敵陣30YardでFG狙わないようなチームでは社会人で生き残る事は出来ない。
どちらかと言うと、そんなもんで動揺したとしても、さすがに関学2プレー目は頂けない(ネイキッドのプレーでQBがお手玉落球)。
さらにいただけないのがパント。自陣23Yardから蹴ってハーフウェーから富士通の攻撃である。リターンを恐れたとはいえ、自分で自分の首を締めてしまった。
しかもここまででキックオフから2分しか時間を使えていない。
次のドライブ、実は最初のドライブがラン主体だったからそのウラのパス主体。それでもある程度止めているんだよ関学は。
しかし、だ。やはり関学は地に足が付いていない。
実は富士通のキックオフは、この試合ある特徴があった(少なくともこの二回目のキックの時にくぼたさんは見抜いている)。実は#16ニクソンが入っているとニクソンが最初にセットしたのと反対側(キック時にはそちらに移動している)時は深いキック、居ないときは浅い位置へのスカイキック、と蹴り分けている。
それに最後まで気付かなかった。
ランは出るがパス2回失敗で自陣39Yard 、4th6yardで、QBが入っていてギャンブルすると思うか? リターナー残されてタイムアウト入れるべきなのに入れずにQBクイックパントって、をい。飛んだ角度が良くて富士通陣13Yardだったが、ブロックされそうな状態。危険すぎる無謀なトリックプレー。これを見れば、関学がテンパッてるのがまるわかりである。
ここからキャメロンは#22岩松へのパスを連投し、#20高野橋のランはロスした物の#89福井#81中村#29ゴードンと立て続けにパスを決めて、敵陣30Yard1stダウン。ここで、もう社会人ならほぼ選択肢の一つである奥へのTD狙いのフェードのパス。既に1回狙ったことがあるプレーが、カバーの選択肢に入っていない(Or落としどころが予測できない)というのは、明らかにパニクっている証拠。この時DB陣がレシーバーとの距離感を間違えていなければ競り合えたはずなのだが、出来なかった。
この返しの深いきつくオフの方で、ラテラルパスしようとして出来ず(確か反対側のリターナーがわざと転んでいたが無視されていたので芝居すら通用しない)。さらに次のバブルスクリーンがとんでもない高さに投げられるは、次のパスの後のフリーフリッカーはラッシュで崩されるは(ただしスクランブルで初めてダウン更新というおまけつき)。
結局このプレーとこのドライブで行ったパントフェイクリバース(2Qに入ってすぐ)だけがトリックプレーとしてゲインしただけで、次に狙ったパントフェイクからのブーツレッグに至ってはセンタースクリーンこそ成立したがダウン更新ならず。
実は2Qは、ここからお互いの守備が元来の実力を発揮してパント合戦になっている。しかし関学はまたしてもギャンブルに出て失敗。50Yardからの攻撃でゴードンのランを押さえた思ったら中村へのロングパス(ちなみにインサイドのレシーバーが外に釣り中村がポストに行くプレーで、FSは見事につられて内側をフリーにしていた。でもこれって昔のら日大の定番プレーの一つだよね?)でTD。
何が違うって、相手の心が折れているときに狙って追加点取れたという所。これ、ぶっちゃけButtle9のチームでも、ここまで露骨に狙われないプレーだ。どんだけ見透かされてるんだという話。

この後何度もフリーフリッカーに挑戦するが、そもそもフリーフリッカーが有効なのは、パスプロダイブが執拗に使われていてキーゲインの場合に、1~2回仕掛けに使えるだけで、肝心要のディープターゲットはマンマークされている(多分Super9の日本人QBだったらそれでも狙って落とせる。外国人ならピンポイント)は、それを見越したRBのスクリーンはプレッシャーでタイミングが合わないは、途中でOLに怪我人が出たとは言えやることなすこと裏目に出てばかり。

後半にFG決まった時点で「あ、もう大丈夫」と思って気を抜いて見ていたら、こからランがゴリゴリ出たりウラのドローが出たり。本来はこういう「じゃんけんの駆け引き」みたいなところで攻めるのが関学の持ち味なのに、最初からこれで来ていたらどうなっていたか判らないのに、と言っている内にTD。
しかしまた、点差的にも厳しいからってオンサイドを、わざわざ小芝居入れて(キックフェイント入れて反対側に蹴る)失敗(10ヤード行かずに富士通の選手に当たってサイドラインを割った)。
ここで岩松にパスを通した後に中村へのリードボール。確かに学生にはないパスプレーだけど、Xではあそこに落とすのは比較的あるからね。

結果として実は3QのTDドライブの通り攻める事と、富士通独特のCBの深いクッションの手前に素早く落とす事さえ出来ていれば、もっと富士通の守備にストレスを感じさせることは出来たのに、何故トリックプレーなんぞに固執したのかなあ。
なんか、KJとBKの亡霊に取り憑かれたのかなあ。
実際の所、外国人4人がどうこう、と言っていたけれど、前回対戦よりゴードンは走らせて貰えず、ニクソンだってOLはかなり上手く裁いていた(ダブルチームではなく、だ)。ぶっちゃけ2Q以降はかなりキャメロンにプレッシャーをかけられていたし、言うほど「外国人が」というほどの結果ではないと思っている(いやさTDパスは凄かったけどね)。
結論から言ってしまえば、監督コーチが「チームの基本線」を間違えて策におぼれた事が敗因なのであって、その為に精度の低いプレーで苦戦を強いられた選手達が可哀想であり、後日別途記載するが、ライスボウルの価値を貶めたかのようにあげつらわれる外国人選手達への不当評価を助長する関係者のリークに心底腹が立つ試合となってしまった。
間違いなく、これは攻撃側の選択ミスと首脳陣の考え違いが招いた、自滅劇で布かないのである、と個人的には思っている。