ライスボウル雑感

結論から言うと、関学の後半のアジャストが見事だったのが印象的な試合だった。

実際のところ、攻撃の得点だけなら同点だし、後半だけ見れば関学が勝っている。
(細かいスタッツについては別途考えたい)

ここまで高田は、W杯の後に経験を生かした成長をしていると思っていた。事実、プレーの反応も判断も、数段良かった。ところが、負傷退場する少し前から、去年までの判断の悪い高田になってしまっていた。
特に後半は関学がゾーン中心にした守備でパスラッシュを多く仕掛けた為に捨てるしかない場面が多数出ている。

だから、正直言ってしまえば「ここぞというところでインターセプトしたりサックしたりファンブルロストさせた電工守備の凄まじさ」という事が、試合の流れを決定づけた訳である。
その守備を逆手にとるショベルパスの多用には唸らされたし、センスから見ても関学攻撃は素晴らしかったとは思う。
実際問題、パスで500ヤード以上獲得している三原と、途中負傷退場してしまった高田と、MVPの冠はどちらが正しいか考えたとき、自分は高田に手を挙げるには躊躇してしまう。
出来るなら、ファンブルロストを決めた山中にMVPあげたかったと言うのが本音ではあるが(このへん、攻撃しか目のいかない記者が投票しているのというのが、よく解る)。

いずれにせよ、肉体的な強さと精神的な強さでチャンピオンになった松下電工インパルスの自力は確かなものである。あとはいつも失敗する世代交代を、どうやってスムーズに進めるか、だと思うのだけれど。