パールボウル日程の発表がありました

まずブロック分けから。

ブロック チーム 地区・位
富士通フロンティアーズ E1
ノジマ相模原ライズ C3
警視庁イーグルス E5
IBM Big Blue C2
東京ガスクリエイターズ E4
Bullsフットボールクラブ C6
LIXILディアーズ E2
オール三菱ライオンズ C4
富士ゼロックスミネルヴァAFC E6
オービック・シーガルズ C1
アサヒビール・シルバースター E3
明治安田ペンタオーシャンパイレーツ C5

表記上長い富士ゼロックスミネルヴァAFCは当面「富士ゼロックス東」と省略させて戴きます

会場 開始時間 対戦カード
4/22(土)  川 崎  14:00  IBM × Bulls
17:00  LIXIL × 富士ゼロックス東
4/23(日)  川 崎 14:00  富士通 × 警視庁
17:00  オービック × 明治安田 
5/ 4(木・祝)  川 崎 14:00  ノジマ相模原 × 警視庁 
17:00  オール三菱 × 富士ゼロックス東 
5/ 7(日)  川 崎 11:00  東京ガス × Bulls
14:00  アサヒビール × 明治安田
5/20(土)  川 崎 11:00  IBM × 東京ガス
14:00  LIXIL × オール三菱

5/21(日)

 川 崎 11:00  オービック × アサヒビール
14::00  富士通 × ノジマ相模原
6/ 3(土)  川 崎 14:00  A2位 × B2位(交)
6/ 4(日)  川 崎 11:00  A1位 × B1位
14:00  C1位 × D1位
6/10(土)  川 崎 14:00  C2位 × D2位(交)
6/17(土)  川 崎 11:00  A3位 × B3位(交)
14:00  C3位 × D3位(交)
6/19(月)  東京D 19:00  パールボウル

交流戦(試合の欄に(交)とあるもの)意外で、秋に対戦があるのはオービック×アサヒビールのみ。 
願わくば、過去まことしやかにファンやスタッフの間で囁かれ続けてきた意地悪い「パールボウル罰ゲーム」説を払拭して戴くような活躍をお願いしたいものです。
※パールボウル罰ゲーム説:誰が言い出したか不明ですが、実業団トーナメントから東日本トーナメントに変わって以降、パールボウル出場チームは社会人王者になれないどころか、パールボウルでシリアスな怪我をする選手が出て本領発揮できない、というジンクスがありました。その結果、「パールは準決勝で負けるに限る」とか「パールは罰ゲームみたいなもんだ」とか言われた事があるのです。

ライスボウルに関する様々な意見に関して(3)

そもそも、全日本選手権をどう定義するか。
多くの競技団体が「同一競技団体におけるオープントーナメント」としている(アマとプロが部競技団体の場合、アマ側に全日本が帰属していて、プロに参加資格がない。バスケのbjやプロ野球に全日本参加資格がないのがその典型-ってか今そういう団体は結果的に野球だけだ-)。
その為、各リーグ戦を管理する競技団体ではなく、日本協会の主管となる事が大半である。

その点、ラグビーやアメフトのように「リーグ戦と別にオープントーナメントをやるのが体力的に難しい」競技の場合、特定のリーグ戦の上位チームで日本選手権を行う、というのは理解できる構図である。ここまでは同意頂けるのではないかと思う。

では、このオープントーナメント形式のを変更するとしたら、どのような場合か?

1つには参加チームの意欲の問題。つまり「てっぺん取ってやる」という意欲に満ちあふれた戦いが出来るか否か、である。
これについて、「惰性で開催されるより身のある試合を」という事で各論反対があろうと総論賛成に通じれば改廃しても良いとは思う。

もう1つ、「スケジュール調整が上手く出来なくなった時」。互いの思惑で試合数の増加を試みようにもにっちもさっちも行かない場合。ラグビーが実際に「日本代表強化の為」の名目で、シーズン延長を試みた際に学生側が拒否(理由は、1/15を超えると学生が試験期間に入るため、それ以降には出来ないと説明)し、一度学生を外した。2017年シーズンかは「サンウルブズ」活動の準備期間のためにシーズン短縮となった場合に、現在揉めているが、学生をはずそうとしている。
このような場合に、発展的解消という手立てもある。

そしてさらに大事なのが「参加チームの力量的バランスと、普及に関する経験値の問題」で、廉売している側が「もう辞めたい」といっても、連勝している側が「もう辞めたい」と思わない限りは継続しなくてはいけないと思うのである。これは逆も真なり。強い側が「もう辞めたい」と言っても弱い側が「まだまだ」と言う限り続けなくてはならない。辞めるのであれば大義名分が必要となる。

このような観点から見て、果たしてライスボウルは「役目を終えた」だろうか?

答えは「No」だと思っている。

ぶっちゃけ、もうあと5年も現状が続いたら、多分「社会人のトップ12」と「それ以外」の格差は絶望的なまでに広がっていくと思う。しかし、このままが続くとは思えないのね。

そうした時に「やっぱりやろう」なんて事になったら、「何を今更」って事になりかねないよね。それはとてもくだらないことだと思うのさ。

そういう観点で見て「今が役目を終えたとき」ではなく「もしかしたらあそこが分水嶺だったかもしれない」というポイントな訳だ。

ライスボウルに関する様々な意見に関して(2)

まず、ライスボウルの設立経緯と発展について整理したい。

一般的には、日本のアメリカンフットボール誕生50年記念行事として、それまで統一団体のなかった日本のアメリカンフットボールの統括団体であるべき日本協会を設立し、不統一だった普及活動を「頂点である全日本選手権」に集約する事で他競技同様の発展を目指す為に設定された試合、であるとされる。
ところが、まあ一部の裏話で聞こえ漏れたところによれば、当時すでらラグビーの方で社学逆転かなされており(新日鉄釜石の7連覇の後、神戸製鋼の7連覇が続く)、やがてそうなることを懸念した関西学生連盟が反対したが、関東におけるビックゲーム誘致を目論んだ関東学連と実業団、地域連盟の後押しによって押し切られた、という話が出ている。

これ、言っちゃ悪いけど、「うちらが勝負出来ない事はしません」って事、だよね? 

ちなみに社会人は出場機会のなかった東西社会人リーグとの統合が段階的になされて、現行のスタイルになっていった訳だけどね。※今と同じになったのは89年シーズン。クラブチームの出場決定戦神戸ボウルがあったのは88年シーズンで、この年まで実業団リーグと東西リーグの並列開催。89年からリーグ統合。

で、社会人有利になったのは、1991年シーズンから。社会人四連勝、京大が1勝したものの社会人五連勝、このあすと学生三連勝ののち社会人四連勝、立命館が勝った後学生八連勝。
実は学生三連勝の時って、実業団廃部の連鎖の時期でさ。いわゆるITバブルがはじけた後の構造改革の時期なんだよね。この構造改革の後に「外国人登録」が始まったんだけど、だからと言って、圧倒的有利という訳でもないんだよね。この時点で、いわゆる外国人(アメリカの大学を卒業した選手)ってのは、そもそもオンワード・オークスのブレナンあたりが最初なんだけど、正直オービックのKJ以降でも、ライスにはインパルスもディアーズも外国人なしだし、逆にクラフト・スタントンを呼び入れたIBMは未だに出られていない(あの強力な攻撃コンビでさえ、だぜ!)。

だから外国人がどうこう、というのは「試合に限って言えば」実はそれほど大きなファクターではないと思う。

どちらかというと、「外国人コーチ」の方だろうね。外国人コーチが新しい戦術を持ち込み、それに勝つための方策を検討して考えて実践した社会人の研鑽の方が大きく影響していると思うけれどね。
いや、まあ今年のあのパスは凄かったけど、あのパスは全盛期の高田や菅原も投げていたから、QBが投げないと言うより投げ込めるレシーバーの存在の有無の方が大きいような感じがするんだけどね。

学生では、まあ関東が1ブロックに移行したことによって東北・北海道の勝者両方が関東トップと試合するチャンスを失ったという課題の他に、関西が「人気再燃のために」西日本王座を妙なことにした、という事もあって、結果的に微妙な空気が漂っているけどね。
そもそも関東は天然芝でもう少し試合しないと駄目でしょう。※関西は終盤に王子陸上、宝ヶ池、ヤンマー、万博と天然芝フィールドで試合を組んでいる。関東では残念ながら夢の島一カ所しか出来ない現状。終盤に駒沢陸上や江戸川陸上を使えない物か……

ちょっとなんかそれちゃったけど、未だ日本の頂点を決める場としてのオープントーナメント機能としてのライスボウルは、機能しているように思えて仕方ないのである。少なくとも、一方的に「乖離」させられちゃって「役割が終わった」事にされる程の内容ではないと思うのだけれど。

ライスボウルに関する様々な意見に関して(1)

色々な意見が出てきてますが……

関学が富士通に完敗で学生8連敗。ライスボウルの見直しは必要か?
乖離する社会人と学生リーグ 第70回ライスボウルに思う
【編集後記】Vol.167

主なメディアではこのへんくらいかな。あとは配信記事ではないハドルマガジンやAFMがどう取り上げるか興味はあるけれど。

まず、THE Pageの本郷さん。以前も似たような記事を挙げている上に、この方の他の競技の記事を見る限り「アメフトの事情に通じている訳ではない」ようである。ってか、多分大きな東京の試合だけを毎年見ているだけのような。かつ、この方は他の競技でも「外国人がいるからバランスが崩れる」的な視点(いや極論だけどさ)とか「社会人と学生は一緒の大会に出る意味が無い」的な論調がすっごく多い。

週刊TurbOverの2本は日大OBの名DB宍戸さんの言葉なんだけど、この2つの記事から見てはっきり伝わるのは「ああ、この人も学生賛歌なんだ」という事で、その善し悪しを問うつもりはないけれど、あくまで「学生って素敵。だから社会人とやって傷つくのは嫌」という意見にしか見えなくてねえ。このへんの人がこういう物言いをするって事は、ある意味感傷による閉塞感しか見えてこない訳ですよ。

その上で改革案をつらつらと出す人が多いんだけどさ

魂のない小手先の改革では、いずれ潰えると思うぞ

と強く警鐘を鳴らさないといかんと思うのよ。ぶっちゃけ今出ているラグビーと揃えるような改革って、あれが通用した流れを把握して言っているのかな。
ラグビーの強化に関しては、基本として「ワールドカップで勝つこと」が狙いな訳だ。実際現行制度(今年から縮小されているので、実際は2015~2016シーズンまでのもの)に移行するのに大学側の頑強な抵抗(試験期間があるので、競技のためのシーズン延長は出来ない。1/15-ハッピーマンデー対応以前の成人の日-の全日本を一切譲る気は無い)に日本協会が業を煮やし、学生を組み込まないスタイルに移行したという強硬手段と、社会人トップリーグ化による強化とシーズン延長で相当な揺さぶりをかけた結果なんだよね。(その中間に、朝日新聞とNHKのすったもんだがあって中継が全日本の中継が飛びかけたなんて事もあった)
ところが、昨年2015~2016シーズン終了後にスーパーラグビー参加が始まると、サンウルブズが準備不足で非難されたので、今シーズンは期間短縮、来シーズンから学生を外して全日本をやり、シーズンを短縮する事で方向が決まっている。
これは、ラグビーのプロ化という視点から大きく立ち後れた日本に於いてごくごく世界標準に近づく為の正しいアプローチな訳ですよ。
これ、平尾さんの改革の時(だから今から10~20年前の頃)に叫ばれていたのを、オールドタイマーが「アマチュアリズム」を理由に足を引っ張り続けた結果、な訳ですよ。
案外こういう「老害による思想洗脳」という出来事は封殺されてしまうので、当時は「アマチュアリズムによる世界との乖離」が盛んに言われていた時代であったにもかかわらず、高校スポーツを主催・協賛する大手三大新聞がほっかむりし続けた(産経は当時北朝鮮フィーバーだったし、日経はアマスポーツと経済が繋がらないので取り上げない)結果、全部プロセスがぶっ飛んでエディー・ジャパンだけが祭り上げられるいびつな結果になっている。どうしてみんな違和感感じないのかね。

正直、日本はアマチュアイズムに妙な滅私奉公を加算した上に感動の乗算をしかけるので、指導者の問題をぜんぶフタして犯罪になった時に「それ見たことか」的に取り上げるのが大好きな、今のネトウヨを形成する「お上が何かやった時だけドヤ顔する報道」ばっかりして来たら、本質を全部マルッと無視する結果になっているわけですよ。

って、それはちょっと本質から外れたので、今回はこれ以上言わない。

んでもって、今回の議論でくぼたさんが取るスタンスだけ明確にしときます。

・個人の趣味嗜好を正義としない
いらっしゃるんですよ、「社会人のスピーカーを使った応援と応援圧力が」ってそれが判断基準な方。それ、あなたの趣味嗜好ですから。クラウドノイズ反対派とかいますけど、そもそも「学生らしさ」って何? 相手や審判を汚らしく野次り倒すことが学生らしさ? そういう本質とかけ離れた所での議論は、意見が歪みます。

・ライスボウルの存在意義を再定義する
宍戸さんが「現行のライスボウルは役目を終えた」見たいな言い方をされてまいが、そもそも「ライスボウルの存在意義って、何」から再定義しないと駄目なんじゃないですか。それに、基本としてどんなスポーツでもオープントーナメントに類する全日本選手権は存在しますよね(野球はカテゴリ別ですが)。そういう観点をもう一度見直すべきでしょう。

・特定の地域に偏った発言はしない
宍戸さんは社会人と学生が乖離している、と言っていますが、関西学生とそれ以外で乖離しているという事を認識されているのだろうか? いや、関西学生ファンとその他の観客との乖離も。なので、特定の地域の事情に偏った事は辞めようと心がけます(が、どうしてもそうなると関西批判になってしまうので、それはご容赦ください)。

以上を自分に戒める形で、暫くつらつらと書きます。
※FBの方で「SFの歴史をおっかける」連載もタイムラインでやってますんで、間が空くもしれませんが。

ただ、一つだけ先に言わねばならないのは「自分の都合の良い勝負しかしたくない」と監督が言ったら、その監督はもう引退すべきですわ。鳥内さんと大村さんは、自分で自分の牙を折っちゃったんで、この先甲子園も辞退すべきでしょ。関西王者でも全日本への道はたどりたくない、というスタンスでなければ、その発言は指導者の傲慢に過ぎないと思いますけどね。

あけましておめでとうございます

昨年は出来なかった挨拶(苦笑)
ライスボウルが終わり身も心もすっかり新年に突入しました。

今年は職場で昇職することになったので、これから色々苦労します。でも喰っていく為にはがんばらなきゃ。

 

追記:FBのタイムラインでは呟きましたが、辞める辞める詐欺になりかかっていたFBのグループ「日本のアメフト復興会議」を退会しました。理由は「かみあわない議論をするのに精神的に疲れた」ので、「ここは戦略的撤退をした方が、こちらも、噛み合わない相手側も、それなりに精神の安寧を得られるだろう」ということからです。
誰かによる退会圧力があったとかそういう事ではなく、自発的に離脱したので、誤解なきよう。
存在していれば言いたくなる性分なので、中途半端なことはしない方がいいと思いましたので。
直前にかみついたネタを放棄したようになってしまいましたが、逃げたと取って戴いて結構です。
(我慢しとけば良かったというのが反省点ですが、噛みついた事自体が間違いだとは思っていない。まあそういうところが悪質なのかも知れません)

以降、FBではアメフトネタは一切やりません。

2017年1月3日東京ドーム第一試合第70回RiceBowl

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
関西学院大学ファイターズ KG 0 0 6 7 30
富士通フロンティアーズ FF 13 7 10 0 13
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 FF 4:10  #11西村49Yard FG    
1 FF 8:15  #11西村28Yard FG    
1 FF 12:41  #3キャメロン→#81中村30Yard Pass   #11西村Kick
2 FF 12:38  #3キャメロン→#81中村51Yard Pass   #11西村Kick
3 FF 8:57  #11西村29Yard FG    
3 KG 13:50  #40橋本3Yard Run   #6#伊豆→#22加藤Pass☓
3 FF 14:55  #3キャメロン→#89福井38Yard Pass   #11西村Kick
4 KG 14:15  #6伊豆→#88亀山4Yard Pass   #1西岡Kick

MVP ポールラッシュ杯 富士通#3コービー・キャメロン

まあ、鳥内さん以下関学のブレーンの方々が、実は「意固地に想定していたプランの範囲内で固執する」というのが見て取れた試合でしたねえ。フリーフリッカーに至ってはターゲットを色々いじったりしたのに、ほぼ通用しないという状況で執拗にやり続けたり、パント体型からのギャンブルも最初のプレーだけが大きくゲインした物の、後は読まれて封じ込められてしまったのにやる。本当はランプレーの一部が軸になれるはずなのに、それを軸にしないでトリックプレーばかり固執したというのが敗因で、富士通側に勝因があったというより、明らかな独り相撲だったというのが、会場で見ていての感想です。

公式記録は以下の通り(X League公式より なお関学の個人スタッツは関学公式を参照のこと) 

  富士通 関西学院
ファーストダウン(ラン - パス - 反則) 19 (6 - 13 - 0) 20 (12 - 8 - 0)
(パス) 試投 - 成功 - インターセプト
獲得ヤード
27 - 20 - 0
311Yds
32 - 20 - 0
196Yds
(ラン) 回数 - 獲得ヤード 31 - 116Yds 46 - 165Yds
(攻撃) 回数 - 獲得ヤード 58 - 427Yds 78 - 361Yds
(反則) 回数 - 損失ヤード 5 - 40Yds 2 - 5Yds
(ファンブル) 回数 - 喪失 1 - 1 1 - 0
(フィールドゴール) 回数 - 成功 3 - 3 0 - 0
TIME OF POSSESSION 25:46 34:14

もしね。色々な所で言われているような「最初のドライブでの49YardFGが関学の思惑を突き崩した」ってえなら、そりゃ違うでしょう。試合前の公式練習の時点でそもそも関学は40Yardにトライすらしなかったのに対して、西村は47Yardトライしてたわけで。さらにIBM戦で47Yard決めている訳で。
まず根本的にそこで読み違えている。だいたい敵陣30YardでFG狙わないようなチームでは社会人で生き残る事は出来ない。
どちらかと言うと、そんなもんで動揺したとしても、さすがに関学2プレー目は頂けない(ネイキッドのプレーでQBがお手玉落球)。
さらにいただけないのがパント。自陣23Yardから蹴ってハーフウェーから富士通の攻撃である。リターンを恐れたとはいえ、自分で自分の首を締めてしまった。
しかもここまででキックオフから2分しか時間を使えていない。
次のドライブ、実は最初のドライブがラン主体だったからそのウラのパス主体。それでもある程度止めているんだよ関学は。
しかし、だ。やはり関学は地に足が付いていない。
実は富士通のキックオフは、この試合ある特徴があった(少なくともこの二回目のキックの時にくぼたさんは見抜いている)。実は#16ニクソンが入っているとニクソンが最初にセットしたのと反対側(キック時にはそちらに移動している)時は深いキック、居ないときは浅い位置へのスカイキック、と蹴り分けている。
それに最後まで気付かなかった。
ランは出るがパス2回失敗で自陣39Yard 、4th6yardで、QBが入っていてギャンブルすると思うか? リターナー残されてタイムアウト入れるべきなのに入れずにQBクイックパントって、をい。飛んだ角度が良くて富士通陣13Yardだったが、ブロックされそうな状態。危険すぎる無謀なトリックプレー。これを見れば、関学がテンパッてるのがまるわかりである。
ここからキャメロンは#22岩松へのパスを連投し、#20高野橋のランはロスした物の#89福井#81中村#29ゴードンと立て続けにパスを決めて、敵陣30Yard1stダウン。ここで、もう社会人ならほぼ選択肢の一つである奥へのTD狙いのフェードのパス。既に1回狙ったことがあるプレーが、カバーの選択肢に入っていない(Or落としどころが予測できない)というのは、明らかにパニクっている証拠。この時DB陣がレシーバーとの距離感を間違えていなければ競り合えたはずなのだが、出来なかった。
この返しの深いきつくオフの方で、ラテラルパスしようとして出来ず(確か反対側のリターナーがわざと転んでいたが無視されていたので芝居すら通用しない)。さらに次のバブルスクリーンがとんでもない高さに投げられるは、次のパスの後のフリーフリッカーはラッシュで崩されるは(ただしスクランブルで初めてダウン更新というおまけつき)。
結局このプレーとこのドライブで行ったパントフェイクリバース(2Qに入ってすぐ)だけがトリックプレーとしてゲインしただけで、次に狙ったパントフェイクからのブーツレッグに至ってはセンタースクリーンこそ成立したがダウン更新ならず。
実は2Qは、ここからお互いの守備が元来の実力を発揮してパント合戦になっている。しかし関学はまたしてもギャンブルに出て失敗。50Yardからの攻撃でゴードンのランを押さえた思ったら中村へのロングパス(ちなみにインサイドのレシーバーが外に釣り中村がポストに行くプレーで、FSは見事につられて内側をフリーにしていた。でもこれって昔のら日大の定番プレーの一つだよね?)でTD。
何が違うって、相手の心が折れているときに狙って追加点取れたという所。これ、ぶっちゃけButtle9のチームでも、ここまで露骨に狙われないプレーだ。どんだけ見透かされてるんだという話。

この後何度もフリーフリッカーに挑戦するが、そもそもフリーフリッカーが有効なのは、パスプロダイブが執拗に使われていてキーゲインの場合に、1~2回仕掛けに使えるだけで、肝心要のディープターゲットはマンマークされている(多分Super9の日本人QBだったらそれでも狙って落とせる。外国人ならピンポイント)は、それを見越したRBのスクリーンはプレッシャーでタイミングが合わないは、途中でOLに怪我人が出たとは言えやることなすこと裏目に出てばかり。

後半にFG決まった時点で「あ、もう大丈夫」と思って気を抜いて見ていたら、こからランがゴリゴリ出たりウラのドローが出たり。本来はこういう「じゃんけんの駆け引き」みたいなところで攻めるのが関学の持ち味なのに、最初からこれで来ていたらどうなっていたか判らないのに、と言っている内にTD。
しかしまた、点差的にも厳しいからってオンサイドを、わざわざ小芝居入れて(キックフェイント入れて反対側に蹴る)失敗(10ヤード行かずに富士通の選手に当たってサイドラインを割った)。
ここで岩松にパスを通した後に中村へのリードボール。確かに学生にはないパスプレーだけど、Xではあそこに落とすのは比較的あるからね。

結果として実は3QのTDドライブの通り攻める事と、富士通独特のCBの深いクッションの手前に素早く落とす事さえ出来ていれば、もっと富士通の守備にストレスを感じさせることは出来たのに、何故トリックプレーなんぞに固執したのかなあ。
なんか、KJとBKの亡霊に取り憑かれたのかなあ。
実際の所、外国人4人がどうこう、と言っていたけれど、前回対戦よりゴードンは走らせて貰えず、ニクソンだってOLはかなり上手く裁いていた(ダブルチームではなく、だ)。ぶっちゃけ2Q以降はかなりキャメロンにプレッシャーをかけられていたし、言うほど「外国人が」というほどの結果ではないと思っている(いやさTDパスは凄かったけどね)。
結論から言ってしまえば、監督コーチが「チームの基本線」を間違えて策におぼれた事が敗因なのであって、その為に精度の低いプレーで苦戦を強いられた選手達が可哀想であり、後日別途記載するが、ライスボウルの価値を貶めたかのようにあげつらわれる外国人選手達への不当評価を助長する関係者のリークに心底腹が立つ試合となってしまった。
間違いなく、これは攻撃側の選択ミスと首脳陣の考え違いが招いた、自滅劇で布かないのである、と個人的には思っている。

WEB活動20年目突入に際して

旧サイト「ラウンジ忘れな草」を立ち上げたのが1996年12月24日。ちょうど20年前。

あの時は、一太郎のおまけで入ってきたホームページビルダーをいじっていたらなんか出来て、プロバイダがJustNetで無料で容量付いてきたから軽い気持ちでアップロードしちゃったんだよね。

元々ページタイトルは、パソコン通信Nifty-Serveの「推理小説フォーラム」で活動していた佐々木丸美ファンクラブの中で名乗っていたコーナータイトルだったんですわ。

そう、つまり本当は「読書サイト」になる筈だったのね。

ところが、もう一つ参加していた「アメリカンフットボールフォーラム」の方でこつこつ書いていた観戦記をやり始めたのですよ。当時、関西学生は幾つかファンサイトあったけど、社会人だったり関東だったりはほとんど無くてね。

悪目立ちしたというべきかねえ……。

よもや20年続くとは思いもしなかったというのが正解なんだろうけどさ。

まああと10年は活動していくと思いますが、10年先にアメフトがどうなっているかなんて判んないしね(ってかそもそも川崎に気軽に行ける土地に住んでいるかどうかも不明ですし)。
あ、一応蔵書目録作って出先で確認する、はしたいので、何らかの形で続いていくと思います。こればっかりはSNSでは出来ない話なので。

Jリーグ・川淵幻想について(4)

9月にFacebookのタイムラインで連載した物の最終回です。

とにかくこの時(以前からですけど)腹が立って仕方なかったのは「川淵さんが来れば一気にプロ化が」とか「川淵さんなら今と違ういい方向に」とかいう発言が平気で出てくる事。
それって「あんたの思う、あんたの白昼夢にのっかった漠然とした期待」でしかない訳ですよ。実際にBリーグ始動の際は、時間的な制限があった事から特にbj側の意見をかなり切り捨てたし価値観を破壊しているのね。自分がその立場にいたらどういうかい? という「ちょっと報道を追っかけていれば判る筈の事実すら調べない」のがどうにも我慢できなかったのね。
ちなみに、現状スタジアム問題を含めて「プロ化」なんて言ったら、「5チームは地方に移転」「4チームは現状のホームタウン」「3チームを合併新設」「あとはおとりつぶし」という結果--ホームに残るのは富士通(川崎)、オービック(習志野)、パナ(吹田)、名古屋。合併新設は明治安田+ライズ(八王子にするか相模原にするか)、東京ガス+リクシル(調布)、エレコム+飲料(神戸)。残りは他競技との競合もあるが、札幌、仙台、新潟、広島、福岡あたりに移転--という構図になりそう。
ただ、これにしても「その都市で、アメフトが高校・大学を通じて認知され、常時8千人規模の動員が可能で、Jとかと開催がスタックしなくて」という構図が出来上がって初めて通用するものなのですわ。

あとね。これは凄い昔大阪の人に言われたんだけど

「関西には、平日ナイターを仕事帰りに見に行く文化はない」

という事に、後々頷いてしまった。これは「じゃあ阪神はどうなのさ。大阪と言えば阪神じゃん」という指摘もあるんだけどね。
実は、関西の昔からの野球場って、住宅街に出来ている訳ですよ。唯一大阪球場は阿倍野だけど、あれだって南海電車の沿線向け。阪急は西宮、阪神は尼崎、近鉄は藤井寺と、都心じゃない訳ですわ。つまり梅田に通っている人でも、甲子園に行くのは阪神電車沿線が主で、町としてはホワイトカラーの人たち。阪急神戸線とは客層の色合いが違い過ぎる。
さらに高槻の人がわざわざ反対方向に行くことはないと。三田の人が不便囲って行くこともないと。これは大阪ドームも一緒だとか。
つまりかなり多くの大阪人は「アイコンとしての阪神タイガース」は好きで、飲み屋で話の種にするが、実際には大阪生まれ大阪育ちの巨人ファンも居るし、阪神嫌いもいるのだ、と言う訳ですよ。
そういう意味でJXB大阪開催が赤字続きで断念したという噂もよく判る。
※さらに、関西学生が金曜ナイターをやるとだいたい「ファン無視の~」って投稿があるもの。絶対にそういう文化なんだよね。
これは同時にBリーグがNBAのような平日ナイターを開催できない理由でもあると思うのね。

まあ、川淵さんの幻想の原因は、「形にしちゃった事」と「結果だけ追いかけられている事」を、「表面的に捉えてどうこう言う」というのがマスコミの仕掛けだという事で、それに釣られて踊るからこうなるのだよ、という事です。

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J幻想の尤も最たる欠落は、「経営」視点がが欠落している事だ。
つまり、「入場者数収入だけでチーム維持活動費用がまかなえる筈がない」という冷たい現実だ。
「常時・定期的に繰り返し繰り返し試合会場に足を運ぶ者は何人居て、それが入場料いくら払ったときに、どれだけ収入をまかなえるか」を「30年くらいの時間軸で悲観的に推定する」事から始めなくてはならない。
現在のJ3ライセンスの交付基準が平均2000人以上となっているのは、入場料平均が3000円とした場合、1試合600万。年間ホーム16試合として約1億の収入。
しかし、チームの運営には税金なども考慮すると2~3億必要で、その不足分を広告収入で賄わなければならない。
有名な甲府方式(低価格の広告を大量に取る方式)にならって1試合30万の看板広告を得たとして、16試合全てに出して貰って1億。
ただ逆に、未来永劫年間480万の広告費を出すことが可能なのかどうか、である。
さらにユニフォームの胸広告などで1億なんとか叩き出してかつかつ、なのである。
それで選手30人近く、スタッフ20人近くを賄うのだ。
そのままXに当てはめることが出来るだろうか? 選手登録65人なんだぜ?J3の倍は必要だろ?

だから彼らチームは必死なのだ。夢に生きるのに霞を喰らう訳にはいかないから、だ。
ようするに、地域密着とは経営的に言えば「親子三代がチームに金を落とし続ける環境」なのである。地域の人がただ盛り上がっているだけでは話にならないのである。

そういった世界のものと、「伊達と酔狂で」やっているものとでは、同列に語ることなど出来ない。
語る価値もないし意味も無い。

なので、今回発表になったバレーボールの話は、二度目の頓挫を迎えることになる。前回もVリーグのプロ化を目指して会長自身がクーデターで失脚した。その時と全く同じ展開(事前に個別のディスカッションをしていないのが明らか)を繰り広げている。
J幻想と異なる世界で基礎をかためてからでないと、上手くいかないという好事例をまたしても積み上げる気なのか。

そこはいいとしても、単独のリーグの普及だけでいい訳がないのは、J以外のサッカーカテゴリーについてもちゃんと考察しないといけない訳で、そこを考察した普及・強化について振れたリーグを見たことがほとんどないのは何故?
きちんと整理していかないと、立ち枯れするだけなのだが。
そこが理解できていない人が多いのが、気にかかる。

とにかく、Jリーグ・川淵幻想から離れる事が一番なのだ。参考にこそはすれど、真似ても意味は無い。そういうものな筈である。

Jリーグ・川淵幻想について(3)

9月にFacebookのタイムラインで連載した物の3回目です。

ちょっとまとめ切れていませんが、フランチャイズの「地域密着」は、ゼロから始まったものではないのだという現実をしっかり押さえておかないと、動きゃしやいのですよ。
例えばフロンターレの場合で行けば、もともとヴェルディ川崎の都心指向が露骨で(そもそも「読売ヴェルディ」と呼ばせろというのも、読売グループのスポーツコンテンツ管理の一貫で、かつ本当は東京ドームに招待券ばらまいて満員にする事をイメージしていた)、それに反発した一部の川崎市民が富士通サッカー部に働きかけを強めて実業団から改組したという経緯を、JR南武線沿線の人は観ているのである(従ってJ1昇格までの熱量は凄かったが、昇格とほぼ同時にヴェルディが味の素に移転したので、そこから一度運動はもの凄く下火になった)。
※ちなみに、ホームタウンの隣接禁止というのがJの規定にはある。なので、よく誤解されているがFC東京のホームタウンは小平市と隣接市、ヴェルディは稲城市と隣接する「他のホームタウンに抵触しない市」で、従って調布と府中はFC東京の、狛江と多摩はヴエルディのホームタウン。
したがって、1度目は「富士通城下町のチーム」で、現在は「川崎市宮前区などの市民のチーム」なのである。
この考え方からすると、広島市がサンフレッチェに冷淡な理由もなんとなく察することは出来る。つまり広島市の中核にいるのは広島東洋カープであって、マツダの城下町チームであるサンフレッチェは外様扱いなのである(メインである宇品からメインスタジアムまで遠すぎるしね)。

清水を例外として、だいたい新設チームや移転チームは一度経営破綻に近い状況を経験しているので、実は「地域密着」の前に「下地が存在した」と取るべきなんじゃないかねえ。

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現在J1~J3に在籍するチームの母体を考えてみよう。
・実業団がそのまま改組したもの(オリジナルのうち8チーム。違うのは清水とヴェルディ)
・実業団が移転して改組したもの(アビスパ、鳥栖、ヴィッセル、札幌)
。教員クラブ(京都、鳥取、甲府、山口、鹿児島の元組織であるヴォルガ鹿児島、栃木)
・元々あったクラブの改組(ヴェルディ、愛媛、長崎、福島、金沢)
・J昇格に向けて新規設立(清水、水戸(但しプリマハムを吸収継承している)、草津、藤枝、横浜FC、YSCC横浜、讃岐、長野、相模原、盛岡、大分、岐阜)

つまりだ。現在J1のチームは、甲府以外は全て実業団を母体にしている。
つまり、だ。「企業城下町として地域に根ざしたチーム」がJに上がっていて、実業団でも企業城下町ではなかったところのチームは苦戦している。
その後の努力がものを言うのは事実だが、そのアドバンスはとても大きなものがあった訳である。
自分たちが生き延びるために努力したチームが上に来るのは当然としても、実業団だった所のアドバンスを生かし切れないチームが多数あるのはどうしたことか。

ネットの噂レベルではあるが、J3が出来る事で救済されたチームが幾つかある(J2では、昇格できなかった。その場合には解散が前提であったというチームが複数あるという)。
その上で、リーグが「生き残るためにはこの基準を満たしなさいよ」とクラブライセンス制度を立ち上げてお尻を叩かなくてはならない程脆弱な経営基盤のチームが多いという事実を、もっと理解しなくてはならない。

さらに、チームによってはJ1でも観客席の埋まり具合が凄惨なところもあるし、そもそも4万入るハコで2階席をほとんど開放しないとかそれて成功と言えるの?
失敗してないだけで成功なの?

アメフトなんて「企業城下町」チームゼロだよ(微妙なのがLIXILと富士通とパナ。あとは基本、都市型全国区企業の大都市圏在住者の集合体だから地元への帰属意識が薄い)。
それで何を誰から学べというのか。
もうちょっと頭使ってほしいものである。
(4)に続く(ってか、まとまってないまま強引に話題を変える)

Jリーグ・川淵幻想について(2)

9月にFacebookのタイムラインに連載したものの2回目です。

本文中で触れているように、Jリーグ開幕前にNFLを視察したのは、アメフトに理解があるからではなく、スポーツビジネスとして極めて特徴的な閉鎖システムで莫大な利益を上げるシステムを構築したから、ビジネス的な視点で行われた物です。
また、アメリカのカレッジの収益システムに川淵さんが言及していないのは、運営が多額の寄付金に依存しているという事もあると思いますけどね。

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ここで誤解をしてはいけないのは、川淵三郎が無能であるという偏向的誤解である。

川淵三郎は、優秀なビジネス指導者である。後にセルジオ越後に嫌味を言われた放映権料システム(リーグ一括管理・再配布)は、世界でも恐らくJリーグとNFLでしか採用していないと思われる。
しかしNFLは、その莫大な放映権料収入で、それこそリーグ総資産ではリーガやプレミアの上を行く。全てのスタジアムが5万人以上の規模のリーグで、チームが破綻することないように出来ているNFLを参考にしたのは、実にビジネス的才覚であると言える。
※なので、川淵NFLファン説なんぞというトンデモ理論は成立しない。彼はスポーツビジネスのモデルとしてとしてNFLを研究しただけである。だから詳しいのであって、少なくとも「京大が日本一を争っているようでは駄目」などという発言をするのはアメフト文化を理解していない発言なのである。そして、彼はカレッジフットボールの収益体制については興味を示していない。なぜならサッカー文化の「地域クラブ」とは相反する概念だから。

なので、彼が成功するときは「方向性は決まっていて、それを遂行する為に馬力を掛けるとき」なのである。
それはBリークでも全く変わりなく、彼はもつれた糸を強制的に繋いで整えた、だけなのだ。

さて、ここまで紆余曲折してきたJリーグであるが、果たして本当に成功したのか、というと、ちょっと待てなのである。
元々こじれた糸を解して、方針を決めた事で地域密着という縛りが付いた為に、地元自治体支援の限界に至るチームも複数あるし、そもそもJ3が設立されなければ地域リーグで足踏みして解散危機だったチームもある。上位のチームだって未だに親企業からの広告収入に頼っているところが多い。

例えば大分。ここはトリニータだけでなくバスケもバレーもチームがある。ある意味無理矢理作ったチームであり、定着させるために「強いチームを作って後から収入を稼いで安定化させる」という戦略をとった。結果、W杯用に大分ドーム作ったはいいが芝がボロボロになって自分たちも怪我人を生み、失速して2部降格。おかげで大借金だけが残り社長は追放。現在もJ3でもがき苦しんでいる。
例えば鹿児島。そもそも地域リークで2チームがそれぞれJ参入を狙っていたが、その為に戦力分散を招いて地域リーグ止まり。両チームが維持出来なくなっているのに感情的なもつれから市場規模も考えずにやってきて、県から最後通牒を受けて統合。その後も全国には行けずに苦しんでいた所J3特赦でJ入り。(これは福島ユナイテッドも似たような経過)
例えば山口。ここもJ3特赦だが、そもそも国体向け競技力強化チームだったので、バックアップスポンサーが弱い。
例えば北九州。ここはJ2ライセンスに腹を立てた監督がチームを見限った。そうまでしないと地域が動いてスタジアムを作ってくれない。
果たして、この状態を成功したと言って良いのだろうか?

スタジアム使用料が馬鹿高い札幌ドームや横浜国際、優勝しても優勝しても市から相手にされない広島……
道半ばと言うには、もう四半世紀も過ぎたのだ。理由になっていない。
ましてや、J3特赦を受ける前に地域リーグで無理して体力が無くなって潰えていったチームがいくつあるのだろう。
そういった失敗事例にこそ学ぶことはあれど、成功した幸せな、たかだか20程度のチームの事だけを語るのは、あまりにおかしな話じゃないだろうか。
(3に続く)