試合の結果から見て行ってしまうのは濃く出し安直かも知れないけれど、ポイントは２つ。
２Ｑ最後の２ポイントと、３Ｑ終盤のＩＢＭのギャンブル。

ではざっくり試合を振り返る。
シーガルズはＱＢが#15龍村で通し（#6菅原はスタイルするもサイドライン。怪我か？）。ＩＢＭはヘルメットが脱げた１プレーを除きクラフト。
最初のリターンをシーガルズが取り、いい感じに敵陣に攻め込むもパント。これが１ヤードで止まり、ＩＢＭはレッドぞー感脱出ならずのパントがショートしてしまい、次のシーガルズの攻撃が敵陣13Yardから。
しかし、ここをＩＢＭがＴＤを許さず、ＦＧで先制。
この返しのドライブもＩＢＭはパント。どうもリターンをされないようにするあまりに高くて距離が出ないパントに落ち着いてしまった感がある。自陣40Yardからの攻撃をリズム良く攻め込むシーガルズだが、これもなんとＦＧ止まり。奥が無くなった時のＩＢＭの守備が光り、ⅠＱの動きがこれだけ。

２Ｑになると、クラフトのスクランブルでダウン更新したのち、スタントへのパス２回、末吉のランで自陣42Yardまで進むＩＢＭ。パス２回失敗のあと、スタント、円谷にパスを通し、１回パス失敗があったものの、スタント、瀧にパスを通し、仕上げは小川にパスを決めて逆転。
と、キックオフでいい距離まで戻したシーガルズは２プレー目で木下にロングパスを決めて再逆転。
さらなにこの買うしのドライブ、相手のパス・インターフェアに助けられた上に小川へのロングパスが決まり、一気に敵陣まで攻め込んだＩＢＭはあっさり栗原へパスを決めて再逆転。
スタンドの「倍返しだ！」に乗ったわけでもあるまいが、ここからシュートアウトにもつれ込む事を見越して、いきなりオンサイドを蹴るＩＢＭ！人がメモってる時にすなっ！しかもカバー成功。
ここから末吉のランで敵陣25Yardまで進むと、瀧にパスを通してからスタントにＴＤパス。
さらにこの返しのドライブで、シーガルズがパスを決めてリズム良く攻め込み、しかもエンドゾーン内での相手のインターフェアもあり残り時間１分を切った所でＴＤ。このままＴＦＰを１点で済ませてもよかったのだろうが、２点を取りに行き、成功させてしまう。
 

が、後半はＩＢＭの攻撃から。ここからしばらく、攻撃は全て得点になる、とにかく攻撃のすごみがドボドボな状態というか、クラフトのハイテンポ攻撃に振り回されるシーガルズと、龍村のロングパスに対してレシーバーをフリーにしまくるＩＢＭ。互いにＴＤを取り合ったあと、8:30に攻め込んだシーガルズがパスのコントロールミス（か、レシーバーのルートミスか）で、パスが大きくレシーバーの後ろにそれ、そのままサイドラインがわにいたＤＢがINTしてしまう。
このドライブが続かず、パントになった時、あろうことかシーガルズのカバーチームが１２人いた事で、４th1Yardに。
そもそもパントプレーの時、クラフトがギャンブルフェイクのパントだったのであるが、ここで真っ向からギャンブルして失敗。この攻撃をシーガルズが１発でＴＤに結びつけてしまい、逆転。
さらに返しのドライブもＩＢＭが一気に攻め込み、あっという間に逆転。さらに次のシーガルズの攻撃をパントに追い込み、パス主体で攻め込み、ＦＧで追加点。
だが、またしてもシーガルズは、相手の反則（ターゲッティング。この結果CBが退場）となり、そこでさらに攻め込みあっさり逆転。
最後に攻め込んだＩＢＭだが、最後のギャンブルでパスラッシュにコントロールが狂い、ＩＮＴされて万事窮す。

氏相手機にはノーガードの打ち合いだけど、平たく言うと「クラフトが凄すぎて、パスラッシュで沈められずにパス守備の問題を露呈した」シーガルズと「特に攻撃から見て左サイドに弱さが丸見えになった」ＩＢＭと、どちらの守備も立て直し必至というところか。
特にＩＢＭは確実にロングゲインを許すのが向かって左サイド。かなりの確率でレシーバーをフリーにしてしまっているので、この先セカンドステージでもかなりの苦戦が見込まれる。パッケージ的に改善出来ないと、かなり厳しい。
シーガルズは、紀平の移籍が響いたのか、インサイドのパスラッシュが弱くなったと思われ、ＫＪもＢＪも効果的なプレッシャーを与えることが出来なかった。この時、インサイドのＬＢ／ＦＳシームの所がかなり弱いように思われる。
いま一つ感が漂うだけに、立て直せるかどうかが課題だろう。

まず富士通。この試合ＲＢが#28進士と#29ゴードンでローテーションしたのだけれど、前半はゴードンが全く機能せず。かえってパワーラン状況で入る#20高野橋のほうが良かったくらいで。
裏を返せば、それだけシルバースターのフロントが改善していたという事でもあるのだけれど。
パスについても基本的には#4宜本頼みというか、相変わらずインサイドの縦ストレッチが出来ていないし、その結果としてインサイドのＬＢを攻められない（斜めに入るプレーはあるが、横切るプレーがない）。
なんだか、攻撃に関してはいつまでたっても「個人の力に頼ってばかりで、システムとして相手を崩す事が出来ていない」という感じしかしないんですよね。
出来ちゃうのか、やっちゃうのか。
伏線も無く、ただ点が取れちゃっただけというか（それが２Ｑの０点の正体だと思う）。
だから、実際３５点取れたのは、「なんとなく帳尻逢わせた」という感じしかしない訳で（第２節の段階で得失点差＋２８でない試合は、後の結果を考えてもしたくなかった、という意味で）。

シルバースターは、去年より守備がかなり改善した物の、今年は攻撃が課題だ。この日スタイルしていたのは#13高橋（ルーキー）と#17古川（２年目）のみ。客席の噂では安藤が怪我という事だった。東野はどうしたんだろう？
で、この二人がまだ経験不足なのである。
というのも古川は立教（当時関東１部下位低迷中）、高橋は学習院（学習院一部昇格のメンバー）と、学生時代の高次元な修羅場の経験が足りないチームであった事が残念だった訳で。まだそこをプレーコールで助けてあげられない攻撃コーチ体制も問題。
じゃあこの二人が駄目か、というとそんな事は無く。慣れていいコーチが指導してあげればグンッと伸びる感じはするのね。
ひたすらに、これは逢わせ練習の問題かも知れないが、この試合最多ターゲットは多分#83林で、次が#89梅田。本来のエースターゲットである#11戸倉は後半から投げられるようになるが、#88橋詰はカバーがキツくて投げられず、という所で、タイミングがあっていないのでパスが偏ったのである。
そういう意味ではこちらもゲームシナリオが明確では無かったように思う。というか、守備のプレッシャーに押し込まれて若いＱＢがバタバタしちゃったという感じか。

で、これから数年後にどっちが凄い事になっているかというと、明らかにシルバースターの方に伸びしろがあるように思える。
攻撃ラインの改善、守備バックの世代交代がこれから待っているとは言え、なんとなく芯が通っているように思えるのである。今季について言えば、多分第２ステージは上位リーグに入るが、来季は化ける、のであはないかと思う。

で、試合はというと、IBMが自滅したというか、なんというか。
正直に言うともうちょっと破壊力があると思っていたのに、なんとなく自重してリズムに乗れなかったというか、今日の天候（記憶が高く湿度も高かった）とフィールド（天然芝）の事を考えて、前半抑えめにしたことが影響したのか。

極端な破壊力が出ていないというかなんというか。
その中でライズの守備にかなり押し込まれていたというか、なんと言うか。

ところがそれでも先制したのはIBMで、守備面もかなり安定してライズ攻撃を止めていた。止めていたんだけど……

腑に落ちないのが３Ｑ最初のドライブ。充分ＦＧ圏に入っていたにもかかわらず、４Ｔｈギャンブルに行った所。あそこでＦＧ成功していたなら、もう少し展開は違っていたんじゃないだろうか？
せっかくルーキーの#83松尾が凄くいいコンビネーションを発揮していたと思うので、なんとなくもったいない。

ライズは、キープレーをランに設定して、前半#25東松を軸にローテーションし、後半に#2宮幸を軸にローテーションさせた。明らかにスタミナ温存した訳で、結果としてこの戦略がIBMの守備のスタミナを消耗させた結果、４Ｑの連続得点につながったと思うのである。

IBMは次節シーガルズ戦が正念場となる。というのも、去年に比べてステップアップした事は攻守共にうかがえるだけに、上位に勝てないチームに安住しない為にも、それなりの奮闘が必要な筈なのでありますわ。

まあ、あんだけミスって詰めが甘くなれば勝てないよね、警視庁。

守備が踏ん張って、相手の攻撃の起点となるべきラン攻撃を潰しているにもかかわらず、自分たちが攻撃中に反則で下がってしまうし、先制点を許したのはパントのホームランスナップ。
その後攻め込むもＴＤ出来ずにＦＧ狙うもホールダーがしっかり押さえられずファンブルロスト。

いやね。決して悪いチームじゃ無いんですよ。
ただ、攻撃にキレがない。
恐らく反射速度というべきところかな。バウンズアウトしたりデイライトしたりという所で、反応が今ひとつ遅いので、守備に寄られて止まってしまうのよ。
結果として攻めきれない。

逆にライオンズは、完全に警視庁におつきあいしてしまった感がある。
たしかに警視庁守備はよく頑張ったけれど、それにしてもおつきあいしすぎというか。

まあこのブロックは警視庁にとって不運なブロックだったと言う事で、捉えるしかなていかな、と。

と、いきなり書いたのは、本当に微妙というか、「なんじゃこりゃ」というか、ドングリの背比べってこういう事をいうんだなと思ったからで。

率直に言うと「両チームとも自滅してます」だし「こんなロースコアな筈ない」実力の筈なのに、どうしてこんなん試合になっちゃったんだろう。

試合は、コイントスに勝った東京ガスが後半の選択をしたことで、Bullsがリターン。先発QBは#6藤原。
案外、といっては失礼だが、そこそこの出来で試合を無難に指揮できていたと思う……一応は。
しかし最初のドライブはパス主体で攻めながら敵陣に入りランが出ずにFG失敗。

で、返しの東京ガス。基本的には#8徳島と#10岩崎のタンデム、前半終わり間際に#12田が出たが、基本手に期は慶應コンビだった上で#88岩越がワイルドキャットで入ってきた。
でね。もう序盤からBullsのオフタックル付近がズブズブなんですよ。突っ込まれたらダウン更新。ヘルプに入るとその外廻られ。
とにかくパスいらなんじゃないかってくらい、鹿島線で走れなかったのが嘘のようにズブズブとランが出る。
これは、恐らくラインが弱い所でヘルプに入ったＬＢ/DBの所ですれ違ったり止められないと、その後がいなくなる為だと思うのだが、それでも常に一枚から二枚プリッツを入れざるを得ない状況が、Bullsの選手層を物語ってしまったというか。
で、時折出されるQBカウンターが止まらない。
そう、そのまま行けば、絶対前半だけで３本はTD取れたのである。
取れたのであるが、パスに色気を出して失敗しまくり。
ブリッツがばかばか入っているのにブーツレッグしかけてブリッツ当たってコントロールミス、が２回。いずれもパスが短くなったところを出前に入ったDBがINT。おいおいと言う感じで前半は自爆状態の東京ガス。

じゃあBulls攻撃はどうかというと、こちらもラインが持たない。一枚ブリッリ入ると反対側からも漏れる。これではQBが持たない。その中で藤原はよくやったと思うけれど……結構レシーバーが落球してるんだよねえ。
特に3Q前半、TDパスを２回連続でドロップしちゃってるし（手に入ってるのに！）。

で、しかも３Q終盤に守備のブリッツが当たり（というかこのへんで東京ガスのラインのスタミナ切れ）QBサックの上ファンブルロスト、敵陣という条件で反則で下げられ得点できなかったは、４Ｑ入ってせっかくの前進を反則４連続で潰してしまうはタイムアウトは浪費するは。ここで同点のチャンスを自滅で潰してしまった。

Bullsはチーム事情があって色々大変だとは思うけれど、少なくともプレークロックの残り１５秒になってハドルが解けないならベンチが声をだして警告しないと駄目でしょう。それでタイムアウト２回浪費して、２回目（最後のタイムアウト）に至っては直後にフォルススタートですぜ。目も当てられない。それならディレーして仕切り直した方が良かった。
そう思わせる、なんか「努力してるし内に秘めた思いはひしひしと伝わってくるのに、どうしてこう空回り感しか伝わらないんだろう」という、そんな結果しか伝わらないんだろう。
勝てた試合だと思うのよ、今日は。

で、逆に重傷なのは東京ガス。前述の通りこの試合は「ライン戦で圧倒していて、そのまま相手の弱点を突き続ければもっと圧勝できた」のに、きわどい試合で、実際は負けなくて良かったという内容に終わっちゃった訳ですよ。
特にカウンターのスイープは、３Qあたりまで全く無警戒でズブズブだったし、インサイドのランはといえば「すれば必ず５ヤード以上」だった訳で。最初に相手を圧倒してから色々やっても良かったのに、時間を浪費して自分で手詰まりになって苦しんだという感じでしかない。
それって、かなり厳しくない？

まあ「似たようなレベルで必死にぶつかり合うのは、観ていて面白い」けれど「後でもやもやしまくる」というのはどうしたものかなあ。
両チームとも、もっとポテンシャル高いと思うんだけどなあ。

さて、試合は、はっきりいって「ぐだぐだと噛み合わない」パイレーツが轟沈したというべきですなあ。

せっかく最初のドライブでスタントンからボールを奪い取って攻撃につなげたのに、どうも出し入れするプレーがかみあわない気がするんだよね。

いや、まあ先発の#18幸田に関しては「決め打ちのタイミングでパスを投げられればそこそこなんだが、ちょっとでも歪むと判断が遅いので挽回できない」という欠点を今日も晒してしまった。もう一段ギアがあがらないと厳しいよね、というか。
その上で苦言を言うと、まあファンブルロストの件は仕方ないにせよ（１Ｑで、バックサイドブリッツが入った時気づくのが遅れてフォワードモーションに入る前にボールをはたかれてしまった）、前半終了間際の攻撃のあり方だ。
ものすごくテンポ良く攻めて、１分切ったところで、最後のタイムアウトを使わずにダウン更新狙ったところだ。
ここ、すっごくちぐはぐ。確かに残り３３秒くらいだったので、いろいろ考えられたと思うけど、時間流してプレーするくらいなら最後のタイムアウト取ってプレーして、ダウン更新したらスパイク、で残り３秒には出来た筈なのよ。
ここがもうちぐはぐ感漂う展開。

ちぐはぐといえば守備側も。
さらに、相手のQBが多川になったとき、あっさりキープ許しすぎ。
せっかく前半守備が健闘してクラフトをかなり苛立たせてプレーが雑になっていたという、明治安田の展開に持ち込んだにもかかわらず、要所で「見え見えのプレーにひっヵかる」事が多かったように思うのね。

まあ、キープレーであるランが出ない（その中で#22木村は頑張ったと思うけど、元々のプレー選択がねえという感じ）ということもあるのだろうけれど、ショベルパスを使うなど色々努力はしている。けれど、なんかちぐはぐなんだなあ。

残念だったのは、#4広野の出来｡膝の塗ん張りがきかないような場面もあった(そう見えただけだが)し、パスがちょっと弱い時もあって、3Qのインターセプトみたいな残念なプレー(もう少し高い軌道ならその裏にレシーバーが抜けていたからね)もあって、終盤突き放されることになったわけで。

そういう意味で「もう一歩、かみ合えば怖い」チームであることは確かだし、実によく考えて(実践できなかったのは残念だが)来たのは見て取れた。

逆にもともと攻撃力はわかりきっていたIBMの、不安たっだ守備がかなり改善されていたが今日の収穫。これ、かなり手ごわいですわ。

ただ、この試合一番どーしよーもなかったのは審判。
3Qにイリーガルブロックの判定に対してIBM(反則側のチーム)からカンファレンスを受けて裁定を変更し、そのために明治安田が再度カンファレンス。間延びしちゃったよ全く。さらにそのあと別の機会でオフセットの裁定をしたら、そこで明治安田からカンファレンス。
一度裁定下したら、カンファレンスで変更しちゃだめでしょ。その前に審判団の協議でしっかり確認しないと。
おかげで間延びした試合になって、もうぐたぐだですよ。
しっかり毅然とした態度をとってください!