試合を総括すると

「ゲームプラン通りに守備が機能していたはずのオール三菱」が、「加藤の無理投げパスがかなりの確率でレシーバーに決まった」事で失点に通じてしまい、ロースコア中のロースコアに持ち込むことが出来ずに負けた

という感じ。

この試合で、加藤の追い込まれたときに投げたパスが、レシーバーのスーパーキャッチを含めことごとく成功する（ショートしたりオーバースローしたり逆リードになったりしない）という、極めて奇蹟に近い-もっと失敗するものです、という意味で-状態だったと訳ですよ。
申し訳ないが、これは奇蹟と言うほか無い。
残念なことに山城のドライブでは奇跡が起きなかった訳で、そこで妙な評価の差にならなければいいなあと思いつつ見ていた。

また、この試合で鹿島はいままでよりもラン比率を上げて2バックシステム等を多用していたので、ボールコントロールという意味でも実に効果的な試合が出来た訳で。

オール三菱は残念なことに、攻撃が途中でどうしても組み立たない。これは守備のプレッシャーもさることながら、やはりQB田中のリズムと選択したプレーがかみ合っていない事もあるのかも。
終盤に立て続けに決めたクイックパスが決まるのを見ると、どうしてもそんな感じがしてならないのだけれど。
つまり、彼は今、自分のリズムでプレーできていない事が課題なのではないか、と。

これにて鹿島全勝一位であります。それに相応しいチームであったと思います。

富士通の攻撃は調整モード(QBは怪我から復帰の#4平本、RBは出番がない#32後藤と#29平澤、レシーバーは最近パスが来ないことの多い#84久保田#86清水etc)。ただ調整モードだからこそ判ったこともあるので、そこだけ簡潔に。

まず、DB/LB陣の層が思ったより薄いこと。つまりベストメンバーと控えの格差が大きい上に、ベストメンバーがやや衰えつつあるように思える。
以前ならブルザイズのレシーバーに前を取られることはなかったのに、かなり前を取られている。ＬＢのランサポートはいいが、パスカバーはやはりゾーンの切れ目を易々と（という程でもないが）取られる。

そして気になった攻撃プラン。
この試合もインサイドへのパスがない。正しく言うと、ＬＢを上げ下げさせるようなパスがない。従って、レシーバーがべったりカバーされたときに投げる場所がない。
じゃあＬＢを上げ下げさせるのは何かというと、っていうか上げさせるのは何かっていうと、ＲＢの中央のラン。でも上げたからってＬＢの裏にプレーが入る訳じゃないのね。

壮大な伏線だ、という可能性も否定しないんだけど、それでも、もうこれは「そういう思想」なんじゃないかと。

多分、現状のフロンティアーズは、「前半を21-3で折り返さないと勝てない」「後半に相手がドメスティックに展開をかえねと1Q消費しないと立て直せず、その間に体力を消耗しきってしまう」という呪縛があるように思う。

その打開を期待したんだけど、結局「人のテストはしたけどプレーの冒険は一切しなかった」という事で、この試合は語り尽くしてしまうと思う。
その割にシリアスな怪我人が複数名いたようで、その方が問題かも。