2022年度社会人秋季リーグの答え合わせ

X1リーグが新たなリーグ編成へ X1 Superは12チームに拡張

……という事で、秋に向けての発表です。
今回は丹念に掻かれていますが、状況を整理します。

  1. X1Superは6チーム同士の2ブロック制で実施。
  2. X1Superはブロック内の5試合で順位を決定し、各ブロック上位4チームがプレーオフトーナメントに進出する。
  3. 下位2チームは他ブロック下位2チームとたすき掛け対戦(つまりAディビジョン5位対Bディビジョン6位、Bディビジョン5位対Aディビジョン6位)し、その敗者チームがX1Ariaとの入れ替え戦に進出する。
  4. X1Superは毎年、ブロック2位と4位が入れ替わる。なお下位2チームのたすき掛け対戦の勝者は5位扱い、敗者チームは6位扱いで「抽選により」ABの所属が決まる。
  5. X1Ariaは8チームにより7試合で順位を決定する。1位と2位がX1Superとの入れ替え戦に出場する。

……はっきり言って、今回の制度改定は「6チーム×3ブロックを無理矢理維持せざるを得ない中で発生した戦力不均衡を解消するために適切な規模へシュリンクする」事が主題として、「6チーム×2ブロック化・東西ブロックの廃止」というのがお題にあるというのは見て取れる訳だけれど。

つまり「遠征コストを少なくするために、東西2拠点でのセントラル開催」に固執せざるを得なかった為に、西地区の上位3チームとそれ以外の戦力差が開く一方なのを改善できず、かつ実業団が多かった東日本地区の廃部自動昇格による戦力不均衡を、結果として是正できずX2以下がグタグタになった東日本のバランスの悪さを、ラグビーのトップリーグのように整理したという事。と、同時に他の球技のように「普及のための地方開催」といった事も視野に入れる事が出来るようになった訳である……形の上では。

想定していた中で「一番悪い手」を取ったなあというのが感想。
正直、過去セカンドステージ制とか戦力均衡のための対戦形式とかで、レギュラーシーズン7試合制を採用してもう20年近くになるのに、ここで5試合制に戻すというのは、明らかに退化、だと思う。
プレーオフにしても全体の2/3が進出できる仕組みでは、上位になる価値を下げているよね。
※プレーオフトーナメントそのものは肯定するが、その価値を考えた場合には、あくまでリーグ戦参加チームの半数以内が参加すべきであると言う姿勢。

正直に言うと以前あったセカンドステージ制の方が、固定ファンは盛り上がっただろうね(上位・下位チーム同士で対戦していない相手と2試合する仕組み。上位プレーオフはその結果の上位4チーム、入れ替え戦は最下位2チーム)。

そして、何が一番良くないかというと、日程である。
今回の改訂でシーズン最大8試合になって、かつ1/3という最終戦の日程が固定されている。
そうすると、隔週開催である以上、純粋に遡れば9月第4週開幕になる。
それって現行より1ヶ月遅れで開幕という事でしょ。
しかも、このスケジュールは基本として「1日1会場で3試合は消化する覚悟(開催地による変動有り)」で廻す事が出来ての話。(さらにこれはX1Superの話であって、Ariaが7節ある事も忘れてはならない)。
さらに、恐らく要望があったであろう幾つかの調整期間を考慮すると、右のようになる。
※セミファイナルからライスまでの間をもう1週間オフを追加する。この事によって、日程上甲子園ボウルと被る事も無くなる。
なお、もう1つ想定されるのは「熱中症対策として、第1節と第2節を2週に渡り開催する」という奴がある。(以前のシーズン5試合制の時にあった)。
但しこのスケジュールではX1Ariaに日程上の恩恵は受けられない。
もう1つ考えられるのは、ディビジョンAとディビジョンBを隔週で開催し、第5節を3週分散で両方実施し、プレーオフに入るパターン(実際に一時期やっていた)だ。

ただ、いずれの方法も、はっきり言ってしまえば観客目線で言えば間延びするのである。間延びしない為の日程としては、今回の素案のものが恐らく最適解になると思われる。
……でも、折角今まで築いてきたものをマイナス方向に振るような改革が必要だったのかといわれると、疑問しか湧かない。
※チーム数の問題では無く、試合数の問題ね。
ようするに、最終戦開催がJXBより2週間後ろに倒れたメリットは完全に潰しちゃった日程なんですよ。
他の球技が「オープンウィークありだが、毎週試合」という形で観客の気持ちを暖めて日程を消化し、1月上旬にピークをもって来る作りだというのに、ね。
選手の健康状態を考えたら、隔週というのは間違っていない。あとはチームがどれだけ観客の気持ちを暖められるか、なんだけど、多分現在の各チームの姿勢を見ると、そこまで考えが廻るとは到底思えない(そこまで手が回らないチームの方が多い)。

有り体に言えば、昨今の経済情勢で各チームのスポンサードが今まで以上に削られている事が影響しているのは想像に難くない(実際問題として、アサヒ飲料がメディア露出を強めているが、大抵こういう動きをしているときはスポンサーが身を引きつつある時なのである)。

そういう意味では、今回の4チーム昇格という荒技についても、アサヒ系2チームが昇格できる仕組みだと揶揄されても文句は言えない訳で、恐らく協会協賛を含めて厳しい内示があったという妄想が出ても文句言えないですよね。

これらの事を考えてしまうと、これならもう1シーズン、Super8チームでやっても良かったのではないかとさえ思う。

まあ今後、チームの方針として「手弁当の範囲で日本一」という姿勢のチームがリーグから離脱する事になる(か、そういう人たちがリタイアする事でチームの方針が変わるか)と思う。
というのも、昨年オフシーズンあたりから「2023年までにX1昇格を目指す」というチームが複数現れた事で、X1AriaとX2東の改革が2024年にあるのではないかという気配を感じている。
そこに目指してリーグ運営も変化する事が予想されるので、そこに期待することにしましょう。

なお、X1AriaとX2改革については、別途時間を取って書きます。