考えさせられる話(アメフトの歴史の裏側)

日本のアメフトが今年で活動88年になる。
ただし、それを体系だって記載した書物は50/60年史(関東で75年史が出たんだっけ?)しかないので、協会のページから拾い読みして見た。但し社会人視点で。

アメフトの日本協会は1938年に設立され、長く普及に対する施策を立案・実施してきた訳であるが、戦前は主として東西対抗の主催とチーム創設の支援に尽力してきた団体である。
※戦前の東西対抗はOB・各地のYMCA所属外国人も参加できたオープン大会。
ちなみに現在国際標準になっている「6人制」は、この頃に日本で発案されたものだそうだ。

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以上を踏まえて。1993年にJリーグが始まるという事を考慮しておく必要がある。Jリーグがプロリーグ化する事を発表したのは1983年(この年から選手のプロ登録を開始している)。
で、実はその頃に「電通がアメフトの興行について打診してきたが、協会側が難色を示したためサッカーに流れた」という話がある。
確かにもうジャパンボウルもミラージュボウル(のちコカ・コーラボウル)は開催されているものの、この状態で日本協会側が対応出来るはずが無い。
※JFAは当時からそういう所の制度設計までして広告宣伝を仕掛けていたから、JSL低迷打破の頃から広告代理店と組んでいた筈なので、Jに流れたというより元々Jとの話が合ったものの、それとは別にアメフトの話が出てきて、東京ドーム(1991年開場)に併せて数年前に話があったが、社会人協会の編成が整備中だったので対応出来なかった、という事なんじゃないかな。

なお。2000年代から広告代理店は(社員であった佐々木康元さんの尽力により)博報堂が続けていた筈である。

さて、そこで右図を参照戴きたい。
河口正史さんのツイッターで上記の電通案件について触れた所、ついたリプライである。(発言者については名を伏してあります)

ここで「Xリーグテコ入れ」という言葉を使っているのがすっごい気になるのである。
Xリーグは1996年にNFAトップリーグを改称改変(正確に言うと、西地区で2ブロック構成するには戦力差が激しすぎたので是正する事と、都心回帰を進めた)したものなので、それ以降の話という事になる。
※余談だが、この改組に否定的だった旧東西社会人リーグ出身の理事が全員席を蹴った、という話がFaceBook上で暴露されている。

テコ入れは2008年頃(ちょうど2009年からセカンドステージ制に以降している)ではないかと思われる。

で、だ。
この当時から実はシーガルスが「自主興行による収益管理」という提案をしている。これはフランチャイズ制を採用している実業団リーグでは「チーム券のキックバック」という方法で使われている既知の方法から「チームが販売時にディスカウント出来る」「座席ごとの券種を指定出来る」という方法でよく使われている手法なのであるが、これを「リーグの責任をチームに負わせる」とか「日本最高峰のリーグにそぐわない」という判断をしている所に注目して欲しい訳だ。

この頃他の競技団体も結構体制変更があったんだけど、基本的に「チーム券を卸すから、原価割れしない範囲で価格設定していいよ」というのが実態だった訳で(前の会社の都合で、アイスホッケーと都市対抗野球で確認。厚生費で落とすか原価売りするか、でした)、それが「ふさわしくない」とか「アマチュアバンドがライブハウス出る時みたいな」になるのって、どうなんだろうと思う。
逆に言うと「損したくなければ自分たちでファンを囲い込め」という実に資本主義的に正しい発言になるのと同時に、今オービックを中心にX1の一部のチームが狙っている流れそのものな訳ですわ。ついでに言うと実業団でなくなったアイスホッケーなんてそのまんまでしょ。

ぶっちゃけ、サブプライムーローン不況の頃から、多くのトップリーグがこういう「チームを維持する為にはチームの努力に応じてチームに金が堕ちる」仕組みにシフトしていた2008年頃の話としたら、相当先見の明のないご意見で握りつぶした(でガルズ以下今歯ぎしりしている)もんである。
もしこれがもう少し前(X開始当初)だったら、この意見はアリだと思うのだが、恐らく今も「協会におんぶにだっこで試合する」精神のチームが多いのだろう。特にマネタイズ系の話がいつもグダグダになり、トップ系の選手からフルボッコ、アンダークラスからフルボッコになっているように見えてしまう。

一度「自分たちが未来に残る為に何をすべきか」という事にフォーカスしたら、あの提案が不当だったかどうか判ると思うのだが……