大阪都構想の敗因

そろそろこの話題も落ち着いてきたので、いいかげん冷蔵庫の隅っこであれこれ言ってもいいかな?

そもそも今回の住民投票で、敗者のみが存在する構造だった訳ですが(そもそも二重行政の廃止が勝利条件だから、都構想が負けても勝者はいなかった)。

その敗因として色々言う人もいるんだけど、一番大事なことが見落とされていると思う。

確かに高齢者層が反対を強く投じたというのはある。でも、彼ら全体が既得権益に寄ったとは思えないのですわ。

私が思う敗因は「結局の所、旗振り役の維新の党がうさんくさい」という一点煮尽きるのでは無いかと。

いやさ、そもそもぽっと出の橋下さんをかつぎあげた連中が、下地も無いまま有象無象をかき集めて政党として存在させた大阪維新の会が、国政に連動した相手が実に胡散臭い石原慎太郎な訳で。ただでさえ足下おろそかなのにうわっと広がってもうて。
そりゃレベル低いのが群がるわな。利用するバチモンも現れるわな。
バチモンの典型例が例の号泣議員なんだけど、実に「維新の会」名乗られて自分たちの胡散臭さを引き立ててしまった訳だ。

いや、それからもっと間が開いていれば良かったのだけれど、大阪維新の会の肝いり政策だった「区長の公募」とか「教育長(でしたか校長でしたか)の公募」で、次々と問題が発覚して公募で受かった人がボロボロ辞任に追い込まれていく。
んでもって国政の方であの妙な言い訳する議員さんが出て。

いかにも「胡散臭くていかがわしい奴らの集団」じゃないですか。
※公募当選者のほとんどが維新の会の薫陶を受けたのでは無いのだろうが、維新に選ばれた=維新の胡散臭さになってしまうのだ。

そんな胡散臭い連中が、高度な理想を振りかざしたところで、そういう胡散臭さを過去目の当たりにしてきた年寄りが、ホイホイと投票しますかね?

あたしゃそんな「夢と霞で喰ってる振りして税金の無駄遣いに終わりかねない」構想に諸手を挙げて賛成する気はさらさらないし、そういう怪しげな連中が失敗した時のリスク考えたら、反対票に入れたくなるよ。

つまり、実際奥行きのない維新の会が、奥行きを作る為に手を広げすぎて自分の首を絞めただけなんだと思うのよ。
だからこの住民投票が、区長公募と同時くらいならそういう事は無かったと思うの(ついでに選挙で民意を問いすぎたので「結局出来ないんじゃん、何言っても」的な空気もみあったと思うけどね)。

正直、大阪都構想は、維新の会が30年かけて地盤を浸透させてからやらない限りは出来なかった、という事なんだろう。

その胡散臭さをまるで無視して既存の枠組みに拳を上げる事がカッコイイと勘違いした著名ブロガーの似非革新主義の、底の浅いこと浅いこと。耳障りのいい言葉でなんか言ってますけど、胡散臭い奴らに舵取り任せられないのは日本新党や民主党、いやさ郵政選挙後の小泉チルドレンで身にしみてるじゃない。そこ、無視ですか。
いやいやもっと遡れば美濃部都政を見てごらんよ。

と、思うのであります。

正直革命的政治家には女子アナなんぞより遙かに清廉性が求められるのよ。そういう話にしてしまった自業自得の話ですよ。