2015年8月30日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
東京ガス・クリエイターズ TC 0 10 7 0 17
Bullsフットボールクラブ Bu 6 7 14 0 27
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 Bu 4:25  #1猿渡 1Yard Run   #19森→ Pass×
2 TC 5:09  #22尾花 1Yard Run   #49一木Kick
2 TC 10:59  #49一木21Yard FG    
2 Bu 11:47  #6藤原 3Yard Run   #14木下Kick
3 Bu 1:18  #91山田50Yard Int.Ret   #14木下 Kick
3 TC 4:51  #8徳島→#90 萩原2Yard Pass   #49一木Kick
3 Bu 9:07  #4菊池 5Yard Run   #14木下Kick

※この試合、キッカーの木下はイヤーブックの#15ではなく#14でした。

これだけ「モメンタム」がはっきり判った試合も珍しい。

まず先制したブルズ。先発QB#6藤原のパスよりも、スタートRBの#1猿渡のオープン系のランを中心にドライブする。2プレー目に東京ガスのレイトヒットもあり、ぐいぐいとリズムを掴む。途中高濱へのパスも決まり、敵陣に入るが、奥が亡くなってから守備の圧力にゲインが思ったように出ず、ネイキッドからのQBキープも1Yardで止まり、これは先制がFGかな、と思ったらギャンブルで猿渡がねじ込み先制。しかしTFPでキックフェイクからのパスに失敗。

返しのドライブでブルズのオフサイドがあったのでキックの蹴り直し(蹴り直したらイリーガルブロックによる罰退があったので、そこは選択としてどうなんだろう) があったものの、東京ガスもRB#22尾花を軸にランでじわじわと……1Q残り9秒までねちっこくテンポ良く責め立てる。ただこのドライブ中#8徳島は6回、#1中本が1回パスを投げているが徳島が3回成功させているだけ(いわゆるバブルスクリーン)、また失敗したうち徳島の2回はバブルスクリーンのドロッブというのはいただけない。
結果としてこちらは8Yard地点での4thインチを取り切れず得点ならず。

ところがここからブルズが止まる。RBをスイッチしたが、まだ試合慣れしていない新人#4菊池や#27大野、ダイブバックの#37矢田を投入するも、中央付近に偏ったランは止まり始めるとリズムが狂う。最初こそ菊池がロングゲインするも、短くて時間のかかるパスを投げられない事でさらに手詰まり感が出てくる。

東京ガスはここから徳島がネイキッドからキープで敵陣に40Yardまで進むと、パス失敗の後に#1中本のQBドローで前進し、途中相手オフサイドもあった#22尾花の中央のランを使ってTDを挙げ、キックの差で逆転。
次のドライブほいいところ無く終えたブルズに対して、またしてもラン主体で攻める東京ガスは、ダウン更新後いきなりポストへのロングパスで一気に敵陣18Yardまで攻め込む。しかしここから中本の攻撃が攻めきれず、残り4Yardでのパスをブリッツに入った選手にはたかれてTDならず。しかしFGで突き放すことに成功すると残りは1分。
前2回のドライブを見る限り、このFGはブルズの前半の心を折るには充分だった筈。筈だったのである

キックオフをすくイーブキックにしたのだが、これをブルズが好リターンして50Yard。ここで火がついちゃったのよ。ここから高濱と#19森にパスを決めどちらもサイドラインを割りクロックマネジメントも絶好調で31Yard。次のプレーで猿渡へのパスを止めた東京ガスが痛恨のアンスポーツマンライクコンダクト(相手選手へのマッチョポーズが挑発行為と取られた)で15Yard。パス1回とQBキープ2回で、残り13秒で逆転しちった訳だ。

さらに後半開始、ここから立て直すという時に徳島から尾花へのセンタースクリーンで敵陣49Yardまで進んだものの、次のバブルスクリーンのボールが浮いたところ、DL#91山田が奪い取ってインターセプト。しかもそこから一気にエンドゾーンまで走りきって突き放す!
TFPで2点取りに行ったが、相手反則があった事も手伝ってかキックに切り替え、10点差

無論東京ガスも手をこまねいていた訳でなく自陣35Yardfから徳島のQBドローで敵陣18Yard。ここからラン主体で攻め、パス失敗の際に相手のフェイスマスクの反則に助けられ、最後はパワーセットのSBにパスを決めてすぐさま3点差に追い上げる。
だがこの返しのドライブで、東京ガス守備はインターフェアとフェイスマスクで前進を許してしまう。さこで新人#4菊池が3連続キャリへーTDを挙げて突き放す。
東京ガスはここから中本を軸にキープで敵陣に入るも、相手が前に上がった頃合いを見計らった投げたロングパスをインターセプト。
しっかり時間を消費するし相手をパントに追い込むは、ブルズ守備大健闘。
ブルズ攻撃をタイムアウト3連続消費のばくちに出て時間を4分残しで攻撃権を手に入れた東京ガスだが、成功したプレーが全部インサイドでデッド。結果として時間消費の挙げ句エンドゾーンに投げ込んだパスをインターセプトされて万事休す。

正直に言うと、選手の地力や層の厚さといった面で、東京ガスは遙かにブルズを凌駕していた、筈。普通にプレーしているだけではブルズは攻撃を止めることが出来なかったし、インサイドのランが止まってにっちもさっちも行かなかった2Qあたりが、本来の実力差な筈なのだ。
では、何が違ったのかというと、意識あるいは気迫が違ったと思う。
前から気になっていた事でもあるのだけれど「ここ一番の乾坤一擲の気合い」みたいなもが、最近の東京ガスには見当たらない。だから個々のスキルでなんとかなっちゃう所はなんとかなるんだけど、一度でもそこで何か心がうわついちゃうと、相手の気迫を凌駕出来ない。相手の力に届かないときに、淡々と決められたプレーだけやっている。
そんな印象しかないから、肝心な所でファウルしたり、相手を最後まで圧倒する事が出来なくて相手の心が復活しちゃったりする。
根性論とか精神論という訳では無くて、単純に「ギアの切り替えが下手」なんでしょうよ。

ブルズは、遅いタイミングのパスが駄目だったものの、藤原の早いタイミングの決め打ちパスはやはり見応えがあり、今季バトル9でも上位に行けそう(残念ながら、今年は上が強すぎるのでトップ9は無理かな)。やはり集中力とかそういうところで、相手を上回ったのが大きいと思う。